音楽活動をしている人は誰しも、自分の人生にとって音楽とはどんなものなのか、真剣に考えたことがあると思います。
今回は人生における音楽の位置付けについて、大きく3に分けて考えてみたいと思います。
皆さんの音楽の捉え方がどれに当てはまるのか、考えながら読んでいただければと思います。
趣味としての音楽
3つの分類のうち1つ目は、趣味としての音楽。
ただ楽しみたい、お金が稼げるかは関係ない、むしろお金を注ぎ込んでもやりたい。
そんな感じでしょうか。
純粋に音楽の楽しさを味わうという面では、1番のスタンスかもしれません。
誰かに指示されたり、発注を受けたり、責任を負うこともないので、1番自由に活動することができます。
その反面、技術や経験を深めてスキルを高めていくには、どうしても弱いというのは否めません。
プロの現場に飛び込む、競合と切磋琢磨するというプロセスは、音楽を仕事にしている人に比べると明らかに少ないと思います。
趣味として自分が満足する分だけやればいいという人は、そのまま楽しむのが1番だと思います。
ただ、音楽を追求していくともっと上手くなりたいとか、もっといいものがつくりたいと思うのが人の性です。
そんな場合は、一流の人に教えを請うのがいいと思います。
まち中によくある、なんたら音楽教室というのはたいてい、初心者向けのことが多いです。
もし自分の技術を深めたければ、自分のレベルにあった師匠を見つけるのがいいと思います。
講師の経歴や学びたいジャンルに精通しているか、しっかり見極めましょう。
最近はSNSで発信をしている人も多くいるので、自分にフィットする先生を見つけやすい時代になったと思います。
仕事としての音楽
近年はYouTubeなどで発信している音楽家も増えたので、音楽を仕事にする敷居が低くなったようにも感じます。
しかしプロの敷居というのは、いまだかなり高いと思った方がいいです。
ネット上で発信するのは誰でもできますが、継続して依頼を受注し続ける、それで生活を成り立たせるとなるとかなりしんどいと思います。
そのためには、高い技術と知識に加えて、ある程度プライベートを犠牲にする覚悟や、クライアントと緊密にやり取りするコミュニケーション能力と責任感、さらに営業力なども求められます。
仕事として音楽をすることは、自分の自由に音楽から離れられないことも意味します。
締め切りやアポイントがあれば、いやでも取り組まざるをえません。
好きな音楽を仕事にするのは、薔薇色の生活に見えて実は結構、残酷なことでもあります。
音楽を仕事にしている人は仕事としての音楽と、次に考える活動としての音楽を平行していることが多いです。
音楽にはやはり自由に表現するという面が必要で、音楽を仕事にしている人は、活動としての音楽をすることで、そのバランスを保っている場合が多いと思います。
活動としての音楽
趣味のように楽しむだけではないが、仕事のようにビジネスライクで自分の自由な表現を抑えることもない。
あくまで音楽をする動機は自分の中に持っている。
そんなスタンスの音楽を、活動としての音楽と呼んでいます。
活動としての音楽は、仕事のようにクオリティの最大化を目指しますが、クライアントや仕事相手に決定権があるわけでなく、最終的な決定権は自分にあります。
趣味のようにいつやっても、いつ辞めてもいい状態ですが、常に自分史上最高の音楽を追求します。
それぞれのスタンスで得ようとするものをまとめてみると、こんな感じになります。
・趣味=楽しみを感じる。
・仕事=報酬・キャリアを獲得する。
・活動=情熱をカタチにする。
活動としての音楽は、自分の情熱を音楽に昇華することに1番のフォーカスを置いています。
その結果、収入が発生するかどうかは関係ありません。
稼ぐかもしれないし赤字かもしれない。けど、やる。
そんなスタンスの音楽です。
音楽に対して(というより自分の情熱に対して)1番従順なスタンスといっていいかもしれません。
このスタンスの人は、サイドワーク(音楽以外の別の仕事)を持っている人も多いです。
情熱に正直な分、生活との両立は大変ですが、自由に活動できる分うまくいったときの喜びは、生活への活力として帰ってきたりします。
自分に合った音楽人生を
どのスタンスが良い悪いというお話ではないんですが、ただ自分に合ったスタンスを選択しないと、人生の幸福度は上がりにくいと思います。
もしいま音楽をやることに何となく違和感ややり辛さを感じていたら、人生における音楽の位置づけが自分に合っているかを見直してみるといいかもしれません。
絶対に音楽を仕事にするんだ!と頑張っていたけれど、自由に趣味として楽しんだ方が幸せを感じられた、とか、活動として音楽を追求してたけど音楽が仕事になっても全然苦じゃない、むしろ楽しい、とか。
自分の思い込みを一回リセットして考えると、より幸福な音楽人生が歩めるかもしれません。
以上、参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。