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【やってはいけない!】初心者が作詞でやりがちな失敗10選とその対処法

  • 作詞をしてみたいけどんなふうにやればいいのかわからない
  • 失敗しない作詞のテクニックを知りたい

作詞は創作活動なので、こうしなければいけないというルールはありません。
とはいえ、いい歌詞を書くためにはある程度やってはいけないことというのが存在します。

やってはいけない作詞の失敗を実際にやってしまうと、リスナーの共感を得られないだけでなく全く聴いてもらえない曲になってしまう可能性さえあります。

筆者は歌詞の創作を25年以上行い、大手ゲーム会社への楽曲提供でも作詞を担当した経験があります。

この記事では筆者の経験から、初心者がやりがちな作詞の失敗10選を紹介します。
また失敗しないための対応策について説明し、うまく作詞するためのコツについても解説していきます。

初心者がやりがちな、やってはいけない作詞の失敗10選は以下の通りです。

  • 失敗①:作文のような文章を書く
  • 失敗②:登場する要素が多すぎる
  • 失敗③:メッセージが一貫しない
  • 失敗④:イントネーションが合っていない
  • 失敗⑤:聞き取りにくい言葉を使う
  • 失敗⑥:歌いづらい言葉を使う
  • 失敗⑦:単語の区切りが合っていない
  • 失敗⑧:メロディと歌詞の内容を合わせない
  • 失敗⑨:曲の構成を考えない
  • 失敗⑩:むやみに韻を踏む

この記事を読むことで、失敗しない作詞のテクニックを知ることができます。
記事でご紹介する方法を使って歌詞を書いていけば、リスナーに届きやすい歌詞を作れるようになります。

また歌詞を書くスピードも上がり、曲をたくさん作ることもできるようになっていきます。

多くの人に共感される歌詞の曲をたくさん作りあげていくことで、音楽活動のクオリティアップにつながり、結果多くのリスナーを獲得できるようになっていと思います。

作詞に苦手意識を持っている方は、是非この記事を参考にしてみてください。

このブログでは、約15年の作曲活動でゲーム音楽などへの楽曲提供も行ってきた、
シンガーソングライターのSRM.が、これまでの活動の経験をもとに、
作曲や音楽活動の悩みを解決するのに役立つ知識や情報を発信しています。
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失敗①:作文のような文章を書く

初心者が最もやりがちな失敗は、作文や日記のようなダラダラと続く文章を書いてしまうことです。

歌詞はメロディと合わせるものなので、使える文字の数が制限されてきます。
決められた少ない文字数で、的確かつ表現豊かにメッセージを伝えなければなりません。

冗長な表現はNGです。

対処法:削れるものがないか考える


歌詞を考える際の下書きは、作文のような文章でも構いません。
一度書きたい内容を長くなってもいいので書き出してみましょう。

なんとなく歌詞にしたい内容の方向性が見えてきたら、最初に書いた文章から削れるところがないかを考えていくといいです。

具体例で説明します。
例えば、こんな感じの歌詞の下書きを作ったとします。

僕は君を初めてみた瞬間から君のことを好きになってしまいました。
だから僕は君のことを思うと夜も眠れません。

完全に作文のような文章です。
ただ、一目惚れをテーマに歌詞が書きたいということはわかると思います。

ここから削れるところがないかを考えて、歌詞っぽい表現に変えていきましょう。
削れるところを考えるときは、以下のような視点でチェックしていくとやりやすいです。

  • なるべく単語だけで伝える
  • 言い換える
  • 順番を入れ替える

3つの観点から削れるところを考えると、最終的に次のような歌詞を作ることができます。

最初の瞬間 始まる恋
眠れない夜 君を思う

以下、どんなふうに考えて歌詞にしていくかを説明します。

なるべく単語だけで伝える


歌詞では、接続詞は基本的に不要なことが多いです。
また助詞も必要最低限に減らすとスッキリします。

なるべく名詞だけで歌詞を作る、という意識で考えていくといいと思います。

名詞はその単語本来の意味のほかに、その単語が背景に持つ意味も表現できます。
1つの名詞で、その単語を聞いたときに思い浮かべる場面や連想されるものをも一緒に表現できるのです。

例えば「青空」という単語は単に「青い空」という意味の他に、「天気のいい日」とか「太陽の輝き」などの連想する意味を表現できます。

このような名詞の持つ意味の深さを利用して、なるべく冗長な表現を削っていくと聴きやすい歌詞になっていくと思います。

言い換える


なるべく短くスッキリとした表現に言い換えられないかを考えます。

例えば「好きになった」という文章は「恋をした」と言い換えられますし、文脈次第ではただ単に「恋」と書くだけでもOKな場合もあります。

順番を入れ替える


順番を入れ替えると、省略できる要素が生まれることがあります。

「夜も眠れません」という文章は「眠れない夜」と順番を変えると、よりスッキリした表現になります。

  • なるべく単語だけで伝える
  • 言い換える
  • 順番を入れ替える

の3つを意識して、具体例をこんなふうに歌詞っぽくしてみました。

僕は君を初めてみた瞬間から君のことを好きになってしまいました。
だから僕は君のことを思うと夜も眠れません。

(修正前)

最初の瞬間 始まる恋
眠れない夜 君を思う

(修正後)

以下のようなカタチで、先ほど紹介したテクニックを使い書き直しています。

  • 単語だけで伝える
    :好きになってしまいました→恋
  • 言い換え
    :初めてみた瞬間から→最初の瞬間
  • 順番を入れ替える
    :君のことを思うと夜も眠れません→眠れない夜 君を思う

また「僕」という表現は全てカットしています。
歌詞ではほとんどの場合その曲の主人公(僕)が主語になるので、あえて「僕」と書く必要がないからです。

そして最初に説明した通り、助詞や接続詞も極力カットしています。

失敗②:登場する要素が多すぎる

次にやりがちな失敗は、歌詞にたくさんの要素を盛り込みすぎるというものです。
盛り込み過ぎる内容としては、例えば以下のようなものです。

  • 登場人物
    :3人も4人もでてきて話が複雑になる
  • 時間
    :話が過去にいったり未来にいったり飛び飛びになる
  • 場所
    :たくさんの場面の話をしすぎてリスナーがついてこれない
  • メッセージ
    :伝えたいメッセージが多くて1番言いたいのがどれなのかわからない

対処法:最初に数を決めて作詞する


先ほどの4つの例(登場人物・時間・場所・メッセージ)について、それぞれ対処法を説明します。

登場人物


登場人物が多くなればなるほど作詞の難易度は上がります。
説明しなければいけない内容もふえるので、文字数も増えて歌詞をメロディに合わせるのが難しくなります。

登場人物は2人までと決めてしまいましょう。

世の中の多くの曲も、2人の人物の間の関係や感情を描いたものがほとんどです。
登場人物2人の歌詞がもっとも書きやすく、もっともリスナーに受け入れられやすい歌詞ということができます。

また「登場人物2人」とは以下の場合も含みます。

  • 個人と個人
  • 個人と多数
  • 多数と多数

1の場合は恋愛のテーマなど個人間の話の場合で、1番よく使われます。
2の場合は個人と集団、例えば「俺とライバルチームとの戦い」などのテーマが考えられます。
3の場合は「しいたげられている庶民たちから悪い権力者たちへの批判」などの集団対集団のテーマが考えられます。

いずれの場合も大きく解釈すると登場人物が2人と考えられます。
どのパターンも個人と個人の場合と同じように書けるので、文字数も増えずに作詞していくことが可能です。

時間


歌詞の中で時間を移動させるのは、かなり高度なテクニックを必要とします。

また登場人物の場合と同様に、時間の流れが多くなればなるほど説明する内容も多くなるので、文字数もたくさん必要になります。

時間についても、1つの曲の中で1つまでと決めて作詞するとやりやすいです。

時間の種類は大きく分けて、過去・現在・未来の3つがあります。
その歌詞が、過去の内容を歌っているのか未来の内容なのか現在なのか、どれかひとつの時間を常に意識しながら作詞を進めていくとやりやすいです。

時間を1つに決めてしまうことで、時間的なブレのない作詞ができると思います。

どうしても複数の時間を盛り込むことが必要になった場合でも、登場する時間は2つまでにしておきましょう。
例えば、「過去→今」「未来→今」など。

それ以上になるとリスナーを混乱させるので、やらない方が無難です。
また2つの時間を使うときは、必ず時系列にそう順番で登場させましょう。

NGなのは、時系列にそわない順番で歌詞をつくることです。
「未来→今」「今→過去』など。

リスナーがついてこれないのでやめておきましょう。

場所


場所についても、1曲の中で1つにしておくことをオススメします。

あまりいろいろな場所での出来事を歌詞に詰め込むと、情報量が多過ぎてリスナーの理解が追いつかなくなる危険があります。

ただし、1番と2番で場所を変えるはアリだと思います。

例えば恋人同士の絆をテーマにした曲で、1番はデートで出かけたときの思い出を語り、2番では家で過ごすときの心地よさを語る、などが考えられます。

メッセージ


1曲の中で、伝えたいメッセージは1つに絞ります。
そして、メッセージが曲の中でコロコロ変わっていかないように注意しましょう。

1曲の中で主張されるメッセージが多すぎると、結局何を言いたい曲なのかリスナーがわからなくなってしまいます。

メッセージがブレてしまうことを防ぐためには、作詞をする前に曲のテーマを決めるという作業をしっかりしておくことが大切です。

テーマについては次の項目で説明します。

失敗③:メッセージが一貫しない

初心者がやりがちな失敗に、1曲の中で伝えたいメッセージが一貫していないというのがあります。
メッセージが一貫しないと、何を歌っている歌詞なのかリスナーに伝わりにくくなってしまいます。

例えば、恋愛のことを歌っていたのに、急に友人が出てきて友情の話に変わってしまう、などです。

初心者のうちは作詞をしていると、あれこれと書きたいことが浮かんできていろいろと詰め込んでしまいがちです。

その結果、中心となるメッセージが何なのかよくわからない、まとまりのない歌詞になってしまうことがよくあります。

メインのメッセージがよくわからなかったりブレがあったりする歌詞はリスナーを混乱させるため、曲を最後まで聴いてもらえない可能性が高くなってしまいます。

対処法:最初にテーマとキラーワードを設定する


作詞をするときは、いきなり書き始めるのでなく歌詞のテーマを最初に考えるようにしましょう。
テーマとは「今から作る歌詞で表現したい内容は何か」ということです。

例えば、「失恋の心の痛みを表現したい」とか「夏の晴れ渡った空の開放感を感じさせる曲にしたい」などです。

最終的にリスナーに感じてもらいたい世界観はどんなものか、まず最初に考えておくことが重要です。

歌詞のテーマを決めたら、次にキラーワードを考えます。
キラーワードとは曲のテーマを一言で表すような言葉のことです。

キラーワード=その曲で伝えたいメッセージと考えて、そのメッセージを中心として歌詞を書いていきます。

テーマとキラーワードから歌詞を書く方法については、以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。

【作曲のやり方】初心者に最適な手順7ステップを解説!

失敗④:イントネーションが合っていない

メロディと歌詞のイントネーションが合っていないという失敗もよくあります。

日本語には、「箸」と「橋」など、音が同じ言葉をイントネーションによって使い分ける単語がたくさんあります。

例えば「橋」という言葉を歌詞に使いたい場合、語尾が下がるメロディにこの言葉を載せてしまうと「箸」と聴こえてしまう危険性があります。

「橋」に聞こえるメロディ
「箸」に聞こえるメロディ

メロディと歌詞のイントネーションが合っていないと、歌詞の意味が正しく伝わらないためリスナーが曲の世界観に入り込む邪魔になってしまいます。

また同じ音で違う意味の言葉がない場合でも、メロディと歌詞のイントネーションは極力合わせた方が望ましいです。

メロディと歌詞のイントネーションをそろえると、伝えたい内容がリスナーの耳にスッキリ入っていきやすくなります。

対処法:メロディを優先して言葉を選ぶ


メロディのイントネーションに合った言葉を選んで作詞しましょう。

歌詞に使いたい言葉のイントネーションがメロディと合わないという場面は、作詞をしていると必ず出てきます。

そんなときは、言葉のイントネーションを優先してメロディを変えるより、メロディを優先して言葉を言い換える方がいい結果につながりやすいです。

メロディは曲の中心なので、極力変えない方が曲全体での統一感やクオリティを保てます。

同様に文字数(音数)もメロディに合わせてできるだけ変えないように言い換えを考えてみましょう。
よりクオリティの高い作詞ができると思います。

失敗⑤:聞き取りにくい言葉を使う

耳慣れない言葉や聞き取りにくい言葉を歌詞に使ってしまうのもよくある失敗です。

普段聞かないような難しい言葉や長い単語、専門用語などはリスナーの理解が追いつかないので作詞では使わないのが無難です。

またメロディよっては、普通の言葉でも聞き取りにくくなってしまう言葉というのがあります。
例えば、以下のようなものです。

長い音のメロディに同じ音が続く
 例)「季(すもも)も桃も」

細かい音のメロディに早く歌いづらい子音の言葉を使う
例)「ラララlove song ままならぬsong」

せっかく作った歌詞もメロディにのせてリスナーに伝わらないと意味がありません。

聞き取りにくい言葉は歌詞では避ける、というのを意識して作詞していきましょう。

対処法:実際に歌ってみる


まず難しい言葉は違う言葉に言い換えることを考えましょう

どうしても難しい言葉を使わなければならない場合は、実際に自分でメロディに乗せて歌ってみて、一度聴いただけで意味がわかるかを感じてみましょう。

少しでも「難しいかも、、」と感じたら、その言葉を使うのはやめておきましょう。

メロディによって聞き取りづらくなる言葉も、同様に自分で歌ってみて言い換えるかどうかを考えましょう。
メロディによって聞き取りづらさは変わるので、臨機応変に判断することが大切です。

ただし一般的な基準としては、以下のようなことに注意するといいと思います。

  • 長い音のメロディでは同じ音をなるべく避ける
  • 細かい音のメロディではラ行やマ行の連続を避ける

言葉の聞き取りやすさについては、次の項目も参考にしてください。

失敗⑥:歌いづらい言葉を使う

メロディと組み合わせる母音や子音によって歌いやすさに影響が出ることがあります。
例えば、以下のようなものです。

ロングトーンで「ん」の音を使う
 例)「音楽で」

強くリズムを強調するメロディで響きの弱い子音を使う
 例)「この丸い丸い地球」

何も考えずに歌いづらい言葉を使ってしまうとボーカリストに負担をかけるだけでなく、歌詞の内容が正確に伝わらない危険があります。

対処法:母音と子音の響きを理解する


下の表は母音と子音の響きが与える印象の一覧です。

それぞれの音の印象を理解した上で、メロディの雰囲気にあった母音や子音を使うように心がけましょう。
聴きやすく内容も伝わりやすい歌詞になります。

例えば先ほどの例は、以下のように変えると歌いやすくなります。

ロングトーンで「ん」の音を使う
例)「音楽で」:ロングトーンにあてる音を変更

強くリズムを強調するメロディで響きの弱い子音を使う
例)「この丸い丸い地球」:リズムが強調される子音を使った「このバカでっかい地球」に変更

上の2つの他にもメロディによって違和感が出てしまう母音や子音があると思います。

作詞をするときは、やはり実際に歌ってみながら考えてメロディにフィットする母音や子音を選んでいくことが大切になってきます。

失敗⑦:単語の区切りが合っていない

下記の2つの歌詞を見てください。
どちらも同じメロディで異なった歌詞が付けられています。

歌詞1「明日出かけよう」
歌詞2「素晴らしいところへ」

2つ目の歌詞は単語の途中にメロディの切れ目があります。
歌詞の内容が伝わりやすいのは、明らかに1つ目の方です。

メロディとの兼ね合いを考えずに、2つ目のような作詞をしないように注意しましょう。
このような失敗は、メロディの音数と歌詞の文字数を同じにする意識をしていないために起こります。

対処法:メロディの音数を数える


作詞を始める前にメロディの音数をしっかり確認しましょう。
歌詞に使いたい言葉とメロディの音数が合わない場合は、言葉を言い換えることを考えましょう。

使いたい言葉とメロディの音数がぴったり合うことはそんなに多くないので、言葉の言い換えのストックをたくさん持っておくと作詞の作業が楽になります。

普段から文字数別の単語ストックを作っておくことをオススメします。
作り方は以下のような感じです。

  1. フォルダー分けできるメモ帳アプリ(iPhoneのメモアプリなど)を用意する
  2. 「単語ストック」フォルダーを作成する
  3. その下の階層に文字数別(1文字〜6文字くらい)にメモを作る
  4. 思いついた言葉を文字数別に各メモへ入力していく
  5. 各メモに入力した言葉はアイウエオ順にソートする

言葉が思いつくたびに各文字数のメモへコツコツと入力していくと、いずれ膨大な単語ストックが出来上がってきます。

ちなみに、ソートする際は一旦エクセルなどにコピペして並べ替えるとやりやすいです。

あくまで一例なので、作り方は使いやすいように変えてもOKです。
作るのが面倒な方は言い換えが必要になる都度、ネット辞書で検索するのも手です。

失敗⑧:メロディと歌詞の内容を合わせない

単語の区切りやイントネーションをメロディに合わせないこととは別に、言葉の意味とメロディを合わせないという失敗もありがちです。

例えば、メロディが高音だったり上昇するフレーズで盛り上がるのところなのに、歌詞の内容が暗い言葉だったり盛り下がる内容になっていたりする場合などです。

メロディが感じさせる雰囲気と歌詞に使う言葉の意味がチグハグになってしまうと、曲全体として違和感を感じる状態になってしまいます。

対処法:メロディの動きを把握する


作詞を始める前にメロディの動きを確認しましょう。

メロの表現に合わせて歌詞の流れや盛り上がりを意識すると、 メロディと歌詞が支え合うような関係の曲に仕上げることができます。

メロディの動きを把握する際は、以下のような点に注意するとやりやすいです。

  • メロディの音程の上がっていくか下がっていくか
  • メロディの音域が高いか低いか
  • メロディのリズムが細かいか大きいか

メロディが上がっていくところや音域が高いところに、盛り上がる内容や強く表現したい言葉をのせるのが基本です。

また、リズムの細かいところには激しい言葉や尖った言葉を使ったり、リズムがゆったりしているところにはやわらかい言葉を使うなどの方法も考えられます。

メロディをよく感じて、雰囲気を壊さないような言葉を選びながら作詞を進めていきましょう。

失敗⑨:曲の構成を考えない

Aメロ・サビなどの曲の構成を考えずにつらつらと歌詞を書いてしまうと、後からメロディと合わせるのが大変になってしまいます。

また1番と2番で各セクション(Aメロやサビなど)の文字数を合わせないとメロディと合わなくなってしまい、こちらも調整するのが大変になります。

対処法:作詞する前に曲の構想を練る


まずは曲全体の構成を頭に入れましょう。
その上でどのセクションにどんな内容を書くか、大まかな流れを最初に練っておきましょう。

例えば、

  • Aメロ:状況説明やシュチュエーション
  • Bメロ:登場人物の感情表現
  • サビ:キラーワードやメインのメッセージ

などのような感じで、各セクションの概要をスケッチしておきます。
実際に作詞するときは、どのセクションに対して何を書いているのか意識しながら進めていきましょう。

以下の点に注意して進めると形式の整った、リスナーの耳に届きやすい歌詞になると思います。

  • サビに1番伝えたい内容(メインメッセージ)を入れるようにする
  • 同じセクションは文字数を合わせる

失敗⑩:むやみに韻を踏む

韻を踏むことに関しては、とにかく歌詞の語尾を同じ音にして韻を踏みまくるというのがよくある失敗です。

本格的なラップなどライム(韻)が重要なジャンルはそれでもOKですが、通常のポップスやバラードソングなどの場合は、かえってダサくなってしまうことがあります。

対処法:韻を理解する


韻の種類をしっかり理解して、必要なところで使い分けられるようにしましょう。
韻を使うには以下のような内容を理解しておきましょう。

韻の基本


韻を踏む場所について、基本的に以下の2つの場合が考えられます。

  • 脚韻:フレーズの語尾で韻を踏む
    例)大切なこの 守り続けたい
  • 頭韻:フレーズの最初で韻を踏む
    例)切なこの愛 陽のような輝き

韻を踏む音をどこまで合わせるかによっても韻の効果が変わってきます。

  • 母音のみ合わせる
    例)荒波を越えてく くぐり抜けたその
  • 子音のみ合わせる(主に英語)
    例)I’d like to sing this super beautiful song.
  • 全て合わせる
    例)厳しいこの時 どう生きてくんだい

韻を踏む頻度をどうするかも重要な要素です。
毎回フレーズの語尾で韻を踏むよりも、韻を踏む頻度を調整するといい場合もあります。
例えば、2行目と4行目のみ韻を踏む、1番のAメロと2番のAメロとで韻を踏む、などが考えられます。

韻を踏む頻度を調整することで、より洗練された印象の歌詞になることがあります。

メロディのピークと韻


どの韻を使うべきかや、韻を踏むべきところは曲によって様々なので、メロディとの兼ね合いでその都度考えていくしかありません。

ただし、大まかな指針としては「メロディのピークで韻を踏むとかっこよく決まりやすい」というのがあります。
メロディのピークとは一般的に次のようなところになることが多いです。

  • 高い音のところ
  • 長い音のところ
  • リズムが繰り返されているところ
  • メロディの語尾

などです。
作詞する前にメロディをよく吟味して、韻を踏む場所の検討をつけてから作詞をしていくといいと思います。

やってはいけない失敗の4つの原因

初心者がやりがちな作詞の10の失敗は、その原因によって大きく4つに分けることができます。
失敗の原因となるのは次の4つです。

  • 内容の詰め込み過ぎ
  • メロディとの兼ね合いを考えない
  • 曲の構成を意識していない
  • 韻を理解していない

10の失敗を原因別に分けると次のようになります。

内容の詰め込み過ぎによる失敗

  • 失敗①:作文のような文章を書く
  • 失敗②:登場する要素が多すぎる
  • 失敗③:メッセージが一貫しない

メロディとの兼ね合いを考えないことによる失敗

  • 失敗④:イントネーションが合っていない
  • 失敗⑤:聞き取りにくい言葉を使う
  • 失敗⑥:歌いづらい言葉を使う
  • 失敗⑦:単語の区切りが合っていない
  • 失敗⑧:メロディと歌詞の内容を合わせない

曲の構成を意識していないことによる失敗

  • 失敗⑨:曲の構成を考えない

韻を理解していないことによる失敗

  • 失敗⑩:むやみに韻を踏む

特に「内容の詰め込み過ぎ」と「メロディとの兼ね合いを考えないこと」は、たくさんの失敗を生む原因になるのでよく注意しましょう。

上手く作詞するコツ

最後に、上手く作詞するために考えるといいことを説明したいと思います。

リスナーへの配慮があるか


初心者がやりがちな失敗10選で紹介してきた対処法の全てに共通して言えるのが、「リスナーに伝わりやすいか」という基本的な配慮があるということです。

歌詞もメロディも聴いてくれる人がいて初めて存在意義を持ちます。
表現したい内容がリスナーに伝わらないということは、その曲の存在意義にとって致命的な痛手です。

常に「リスナーに伝わりやすいか」ということを意識して作詞を進めていくことが肝心です。

メロディと支え合っているか


もう一つ重要なことは、歌詞はメロディのために存在しているという意識を持って作詞するということです。

もし曲の中で歌詞が主役なのであれば、その言葉は歌に乗せて伝えなくても、詩でも文章でも良いのでは?ということになってしまします。

メロディが表現する内容と歌詞が支え合って全体的な世界観を作り上げるということが、音楽の価値につながるのではないでしょうか。

メロディと支え合うような歌詞を意識して作詞を進めていくように心がけていくことが大切だと思います。

共感を呼ぶ内容か


リスナーの心に刺さる内容の歌詞を考えられるかどうかも重要なポイントです。

「私のことを歌ってくれている!」とリスナーが感じるような歌詞は、そのリスナーにとってかけがえのない作品になることができます。

リスナーの共感を呼ぶ歌詞になっているか、試行錯誤しながら作詞していく姿勢も重要なことだと思います。

リスナーの共感を呼ぶためには、その歌詞を誰に(どんな状況のリスナーに)向けて書くのかというところを考える必要があります。

その上で、リスナーの生活や日々感じている感情を想像したり、ときにはSNSやリアルなインタビューなどで調査することも必要になるかもしれません。

なかなか地道な作業ですが、コツコツと努力を積み重ねて作り上げた歌詞は、きっと誰かの心にしっかりと刺さる素晴らしい作品になるはずです。

まとめ

この記事では、初心者がやりがちな作詞での失敗を10こご紹介しました。
10個の失敗とそれぞれの対処法は以下の通りです。

やってはいけない失敗対処法
失敗①:作文のような文章を書く削れるものがないか考える
失敗②:登場する要素が多すぎる最初に数を決めて作詞する
失敗③:メッセージが一貫しない最初にテーマとキラーワードを設定する
失敗④:イントネーションが合っていないメロディを優先して言葉を選ぶ
失敗⑤:聞き取りにくい言葉を使う実際に歌ってみる
失敗⑥:歌いづらい言葉を使う母音と子音の響きを理解する
失敗⑦:単語の区切りが合っていないメロディの音数を数える
失敗⑧:メロディと歌詞の内容を合わせないメロディの動きを把握する
失敗⑨:曲の構成を考えない作詞する前に曲の構想を練る
失敗⑩:むやみに韻を踏む韻を理解する

また、作詞をするときに考えるといいことを3つ紹介しました。

全ての対処法やテクニックを一度に実践するのは難しいかもしれませんが、作詞に行き詰まったときのヒントになるものが1つでもあれば参考にしてみてください。

この記事の内容を参考に、リスナーの心にしっかりと届く歌詞を作ってみてください。

作詞のテクニックについては、こちらの記事も参考にしてください。

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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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