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コードのファンクションで曲の物語をドラマチックに演出しよう

自分でつくったメロディにコード進行をつけてみた、けど何だかごちゃついてる、スッキリしない、しっくりこない、という方に。

コード進行を整理する考え方を書いてみます。

コードにはそれぞれ役割がある


物語に起承転結があるように、コード進行にも曲のテーマを語るための流れが必要です。

その流れの中のどの役割を、どのコードが担うのか。
実はほとんど決まっていたりします。

コードは何となく感覚でつけられているのでなく、その役割に応じて、適切な場所につけられているのです。

どのコードがどんな役割なのか、まずはダイアトニックコードでみてみましょう。

TSDの役割


ダイアトニックコードって何?という方はこちらをどうぞ。

また、ダイアトニックコードの表記については、こちらをご覧下さい。


各コードにはこんな役割があります。

ⅠM7:中心・落ち着く・解決先
Ⅱm7:中間・アンニュイ・浮遊感
Ⅲm7:中心に近い・次に進みたい気もする
ⅣM7:中間・アンニュイ・浮遊感
Ⅴ7:不安定・落ち着きたい・次に進みたい
Ⅵm7:中心・落ち着く・解決先
Ⅶm7(♭5):不安定・落ち着きたい

選んだ形容詞はあくまでわたしの主観ですが、こんなようなニュアンスの雰囲気をつくりたいときに使われる、ということです。

で、それぞれの役割には名前がついています。

トニック(T)

中心・落ち着く・解決先、のグループです。記号はTと表記します。
ⅠM7とⅥm7ですね。ⅠM7だと明るい感じ、Ⅵm7だと暗い感じになります。

また、Ⅲm7もトニックの一種と私は考えています。
ただし完全なトニックでなく、すこしボカした感じのトニック、といった感じです。
なので上では、中心に近い、と書いてます。

サブドミナント(S)

中間・アンニュイ・浮遊感、のグループ。記号はSです。Ⅱm7とⅣM7です。

ドミナント(D)

不安定・落ち着きたい、のグループです。記号はD。Ⅴ7とⅦm7(♭5)ですね。

特にⅤ7については、Tの前に鳴らすと、その後に鳴るTで落ち着いた感じがさらに強くなります。
なので上では、次に進みたい、と書きました。

TSDの並びで物語を整えよう


この3種類の役割を上手く並べて、表現したい物語をつくっていきます。

王道の並びは、T→S→D→T、です。
落ち着いた感じで物語が始まり、中間部分を経て、不安定な場面がきて、また落ち着いた感じに戻る。
この、T→S→D→Tの流れがまさに起承転結になります。

具体的にどのコードを選ぶかは、表現したい内容に応じて、合うと思うものを選んでみて下さい。
組み合わせでオリジナリティを発揮しましょう。

他にも、T→D→T→Dの繰り返しで、安定→不安定を連続的に配置し、物語にスピード感を出す、なんてのも考えられます。

また、ずっとSのままで、ずーっとアンニュイな雰囲気を醸し出すとか、S→Dの繰り返しで、安定に行かない、さまよっているような感じを出すなんてのもありかもしれません。

ファンクションはコード進行のガイドライン


TSDの役割分担のことを、ファンクションと呼びます。

それぞれのファンクションは、コード進行を考えるときのガイドラインとして意識してみるといいと思います。

曲に起承転結のような流れができて、まとまりのあるコード進行になると思いますよ。

参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。



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