最初は、最高のアイデアだ!と思ってつくり始めた曲が、ある程度かたちになってくると、なんだかつまらない曲に感じてきてしまうことありませんか?
つくっていくうちに、何かダサいな〜、何かありきたりだな〜、と制作の手が止まってしまう。
あるいは、もっとよくなるはず、といろいろ手を加えてみるけど思ったようにならず、結局最後まで完成しない。
オリジナル曲に挑戦したことのある人なら、一度は経験があると思います。
これは、曲をつくるテクニックの問題という以前に、つくるときの心の持ちようの問題かもしれません。
この記事ではそんな現象について、どうしてそんなふうに思ってしまうのか、それに対してどんなふうに対処していけばいいのか、原因と結果に分けて書いていきたいと思います。
原因①:人間の脳は慣れる
人間の脳は長い時間触れた刺激には慣れてしまうようにできています。
音楽も一緒で、初めて聴いたときは感動の涙を流したような曲でも、何度か聴くうちに冷静に詳細を聴けるようになってきます。
自分の曲も同じ。
最初の新鮮な耳で聴いたときは最高の曲に聴こえても、何度も聴くうちに感動は薄れていきます。
逆に、よい曲に仕上げようという気持ちゆえ、改善できるとこはないか、積極的にアラ探しをしてしまうものです。
最初に自分の曲を聴いたときの新鮮な視点は、直後から永遠に失われます。
原因②:理想形は常に理想形
私たちは曲を作ろうとするとき、何らかの理想形を心の中に描いています。
なんとなくのイメージでも、作り上げたいクオリティー設定のようなものがあると思います。
それを思い描くとき、自分の力量以下のものを理想形にはしないものです。
むしろ自分の力量より少し上のクオリティーに憧れたりします。
しかしその理想形をカタチにすることはほぼ不可能です。
心の中で自由に発想した理想形に対して、実際の曲に落とし込む際の現実的な制約がいくつも発生します。
それは技量不足かもしれないし、機材が足りないかも知れないし、具体的なアイデアが出ないかもしれない。
現実の曲は常に心の中の理想形には勝てないのです。
理想形は常に理想形のまま心の中に存在します。
原因③:完成する前が1番気持ちいい
人間の脳は、もう少しでいいものが手に入りそうだ!という状態のときに1番快感を感じるようにできています。
ポイントは、いいものが手に入った!という状態ではなく、手に入りそうだ!という状態が1番の快感、ということ。
曲づくりで言うと、曲のアイデアや構想が浮かんだとき、これをかたちにしたらどんなに素晴らしい曲なるだろう!と考えている状態が1番気持ちいい、ということです。
実際に製作に取りかかった直後から、快感の度合いは緩やかに下がっていき、だいぶ制作が進んだ頃には、なんだかつまらない曲だな〜、というような感覚になってしまいます。
これは、最初の1番気持ちいい状態と今の状態を比べてしまっているからです。
つまり、曲を完成させたとしても1番の快感は2度と戻ってこないという事です。
(完成させた達成感という別の感情は手に入るかもしれませんが。)
何だかネガティブな話ばかりになってしまいました、、、
でも大丈夫、対処する方法はあります。
人が陥りやすい思考の癖を理解していれば、それが発生した時に適切な対応策を取ればいいのです。
次回の記事では、その対応策について書いてみたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。