皆さんは日々いろいろなことを学んでいると思います。
仕事や趣味など、人生は学びの連続です。
特にこのブログでは、音楽について作曲や音楽理論の知識・テクニックについて情報発信しています。
音楽もまた、学ぶほどに上達していくものです。
どんどん学んで、どんどん知識を活かしていきましょう!
、、と言いたいところですが、、、知識やテクニックを学ぶことには、実は落とし穴が潜んでいるのです。
今回は、テクニックを学ぶことの危険性と解決策について、曲づくりの観点から考えてみたいと思います。
このブログでは、約15年の作曲活動でゲーム音楽などへの楽曲提供も行ってきた、
シンガーソングライターのSRM.が、これまでの活動の経験をもとに、
作曲や音楽活動の悩みを解決するのに役立つ知識や情報を発信しています。
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テクニックを学ぶ危険性:手段と目的の混同
テクニックを学ぶと、使いたくなります。
せっかく身につけた新しい知識、アウトプットしたくなるのは当然です。
新しいコード進行を知ったから、この進行で曲をつくってみようとか、
新しいリズムパターンを知ったから、このパターンでトラックを打ち込んでみよう、など。
これ、練習での曲づくりならいいんですが、本番の作品づくりとなると大体うまくいきません。
なぜなら、新しく学んだテクニックを使うこと自体が目的になってしまっているからです。
曲づくりは、あくまで表現したいテーマが中心にあります。
そして、それをカタチにする手段として、コードやリズムなどのテクニックが存在します。
表現したい内容=テーマが目的で、テクニックは手段です。
目的のために手段が存在します。
手段を使うことが目的になってしまうと、そもそも曲づくりの意図からは外れてしまいます。
結果、うまくまとめることができなかったり、途中で投げ出してしまったり、ということになりやすいのです。
新しいテクニックを学んで、意気揚々と曲作りに取り組んだ結果、
気づかないうちにテクニック盛り盛りで、何を表現したいのかよくわからない状態になっている、なんてことありませんか?
テクニックに溺れないための3つのチェックポイント
では、テクニックに溺れた曲づくりにならないために、チェックするべきことを挙げてみたいと思います。
テーマを確認する
表現したいテーマは何かをしっかり確認しましょう。
あくまでテクニックは手段で、テーマが曲づくりの中心です。
ここがぶれなければ、用いるテクニックについて客観的な判断が下せます。
曲のテーマは、短い文章やキャッチフレーズなどにまとめ、
付箋などに書き出して、制作中、常に目に入る場所に貼っておきましょう。
(テーマの発想については、下記の記事を参考にしてください。)
テクニックが絶対に必要か自問自答する
無意識のうちにテクニックを使おうとしていた場合、使おうとしているテクニックが、テーマの表現のためにに絶対に必要かどうか、一度立ち止まって自問自答しましょう。
大抵の場合は、不要または、よりシンプルな方法でも実現可能なことが多いことを心に留めておきましょう。
よりシンプルな手段を考える
テクニックが必要だと判断した場合、よりシンプルな手段で実現できないかを考えましょう。
テーマを表現することが一番の目的なので、他の要素はなるべくシンプルな方が効果的です。
4和音でなく3和音でよくないか、
テンションはなくてもよくないか、
リズム楽器の数を減らしてもいいのではないか、
コードの種類をもっと減らせないか、
などなど。
このとき、引き算思考が役に立ちます。
(曲作りにおける引き算思考については下記の記事を参考にしてください。)
とはいえ、フックは必要
テクニックをなるべく排除しよう、というような話になってしまいましたが、
とはいえ、フック(心にひっかる仕掛け)がないと、せっかくつくった曲も聴いてもらえません。
曲の個性は、丁寧に美しく整えられた構造の中に、
小さな違和感=ひっかかり、があることで感じられるものです。
この個性にこそテクニックは必要で、新しい知識を学び続けることの価値も、多くはここにあると言えるかもしれません。
またさらに上級者は、多くのテクニックを使っているにもかかわらず、
聴き手にそれを悟らせないように、巧妙に曲を作り上げることができます。
洗練された構成力と圧倒的な基礎力の上になせる技だと思います。
まとめると、テクニックは小さなトッピング程度に、
または意識されない程の巧妙さで使うのがいいと思います。
両方の場合に言えるのは、基礎力があってのテクニックだということです。
まとめ
・新しいテクニックを学ぶことには落とし穴がある。
・それは、学んだテクニックを使うことが曲作りの目的になってしまうこと。
・そのワナを回避するためには、テーマをしっかり確認・テクニックが必要か自問自答・よりシンプルな方法がないか考える。
・テクニックは、小さな引っかかり程度または悟られない程に巧妙に使う。
・テクニックを活かすために大事なのは基礎力。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。