【初心者でもわかる】分数コードを効果的に作曲に取り入れるにはどうすればいいか

コード進行でたまに、こんな表記のコード見かけますよね。

画像1

これらは分数コードと呼ばれるものです。
今回は、分数コードとは何なのか、どんな時に使えばいいのかについて書いてみます。

分数コードとは


分数コードとは、その名の通り分数のような表記のコードのことです。

例えば、C/D、とか、Am/E、のように二つのアルファベット表記の間に線が引かれています。

読み方は、左側がコードで右側がルート音です。

C/Dでいうと、CのコードにDのルート音をプラスするという意味です。

構成音は低い方から、D・C・E・G、になります。

同様に、Am/Eの構成音は、E・A・C・E、です。

分数コードはスラッシュコードと呼ばれることもあります。

分数コードの種類


分数コードには大きく分けて2つの種類があります。
インバージョンとハイブリッドコードです。

インバージョン

インバージョンは、あるコードを展開してルート音を変更したコードのことです。

例えば先ほどのAm/E。
これは、Amというコードの構成音を並び替えたものです。

もともとA・C・E、という構成音で、ルートはAでした。

これをE音をルートにするために並び替えたものが、Am/Eです。

構成音は、E・A・C・E、に変わります。
(ちなみに、最後のEの音はルート音と同じ音なので省略してもOK。)

ハイブリッドコード

ハイブリッドコードは、もともとのコードの構成音にはない音をルート音にしたコードです。

例えば、C/D。
Cのコードの構成音は、C・E・GでDの音はありません。

この構成音にないDの音をルート音として付加したのが、ハイブリッドコードです。

ハイブリッドコードをつくる際、付加するルート音は、もとのコードのスケール上の音にすると上手く響きやすいです。

例えば。C/DのCのコードのスケールが、C・D・E・F・G・A・Bだった場合、D・F・Aなどをルート音にすると上手く響きます。

もとのコードのスケールが何かは、曲のキーによって判断することになります。

(これについては、こちらの記事もご参照ください。)

2つの表記は別々の意味を持つ


ちなみに、下の二つの表記では意味が違ってきます。

画像2

今まで説明してきたのは、左側の表記の場合です。

右側の場合は、上の画像の例でいくと、DのコードとCのコードを同時に鳴らす、という意味になります。

なので構成音は、D・F#・A・C・E・G、となります。
例えばこんな表記もあり得ます。

画像3

構成音は、D・F・A・C・E・G、となります。

ちなみにC/Dの場合は、右側はルート音のみ(一つの音のみ)を表すので、C/Dmとなることはありません。

どんなときに使うのか


以下のような場合に分数コードを使うと効果的です。

ベースラインを変えずにメロディとのぶつかりを回避する

例えば、Em7のコードでメロディにCの音を使いたいとき。

Em7の構成音のBの音とメロディのCの音が半音でぶつかるので、濁った響きになります。

このとき、前後の流れなどからベース音を変えたくない場合、分数コードを使うと解決する場合があります。

Eの音とCの音を構成音に持つコードを探し、Eの音がルートになるようにインバージョンすればOKです。

例えば、C/E。Cのコード(構成音はC・E・G)をEがルートになるように並び替えて、Em7と入れ替えれば、メロディとのぶつかりを解決できます。

コードの構成音を変えずにベースラインを滑らかにする

例えば、Em7→CM7というコード進行があったとき、E→Cのベースの動きをもっと滑らかにしたいなぁ、と考えたとします。

この場合、Em7→Dm7→CM7、とDm7を挟めばベースラインが全音ずつ下がっていくので、滑らかな動きになります。

しかし、メロディとの兼ね合いなどから、Dm7を挟めない場合もあります。

このようなとき、Em7→CM7/D→CM7、とすれば、CM7の構成音を変えることなく、ベースラインの動きは滑らかにすることができます。

分数コード単体でも魅力的


といったわけで、今回は分数コードについて解説してみました。

コード進行をより洗練させたいときに、分数コードを選択肢として持っておくと、とても幅が広がります。

上の例のように、メロディやベースラインの調整で使う以外にも、分数コードの響き自体が気に入れば、最初からコード進行の中心として使うのもありだと思います。

より複雑な表現が可能になり、オシャレな感じが出せると思います。

以上、参考になれば嬉しいです。
最期まで読んでいただきありがとうございました。



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