このシリーズでは、無調系の和音をオリジナル曲のコード進行に活かすテクニックについて書いています。
(前回までの記事はこちら。)
今回は、ペダルポイントをご紹介します。
ペダルポイントとは
ペダルポイントとは、あるコード進行の中でルート音を1つの音に固定するテクニックのことです。例えばこんな感じ。
Dm7/G→Em7/G→FM7/G→Em7/G→CM7
もともと、Dm7→Em7→FM7→Em7→CM7、というコード進行を、ルート音をGに固定してペダルポイント化しています。
(「/」で分けられたコード表記の意味については、こちらをご覧下さい。)
ペダルポイントを使うことによって、コードが進行しているようで進行していないような不思議な感覚を表現することができます。
しかし、上の例は使われているコードが全て、キーCのダイアトニックコードになっています。
(ダイアトニックコードについて詳しくは、こちらをご覧下さい。)
ペダルポイントは調がある場合でも無調の場合でも使えるテクニックなのです。
では、ペダルポイントを無調的に使うにはどうしたらいいでしょうか。
無調的なペダルポイント
そのポイントは、固定したルートの上に乗せるコードをよく吟味することです。
なるべくダイアトニックコードの組み合わせにならないように注意して選びましょう。
オススメは前回の記事で紹介した、コンスタント・ストラクチャーと組み合わせることです。
(コンスタント・ストラクチャーについてはこちら。)
例えばこんな感じ。
Dm7/G→Cm7/G→B♭m7/G→Cm7/G→CM7
Gをペダルポイントにしつつ、コード進行はマイナーセブンスコードが全音づつ上下するコンスタント・ストラクチャーになっています。
コンスタント・ストラクチャー自体がダイアトニックコードを感じさせないコード進行です。
そこへさらに、ペダルポイントの独特な停滞感(進行しているようで進行していない)を組み合わせることで、さらに深い無調感を使いこなすことができます。
他にもいろいろな動きのコンスタント・ストラクチャーとの組み合わせが考えられるので、試してみてください。
ペダル音の選び方
ルート音(ペダルポイントの時は、ペダル音と言ったりします。)を決める際のヒントをひとつ。
ペダルの解決先のコードの5度上のルート音を選ぶとだいたい上手くハマります。
ペダルの解決先とは、ペダルポイントが終わった直後のコードのこと。
上の例でいくと、CM7のコードです。
このコードから見て5度上のルート音なので、Cから見て5度上のGの音がペダル音に選ばれているわけです。
あくまでひとつのヒントなのでこれに縛られずに、自分の表現したい内容に合うようにいろいろと試してみてください。
ペダルポイントの使い方
ペダルポイントの使いどころは、前奏や間奏などメロディが始まったり展開する直前がオススメです。
ペダルポイントには独特の停滞感があるので、聴き手にいい意味でのフラストレーションを与えます。
その後にメロディが現れることでこのフラストレーションが解消されると、聴き手の感情を大きく揺さぶるポイントになります。
サビ前のBメロ等で使うことで、サビへの期待感を高めることができるので、これもオススメです。
といったわけで、今回はペダルポイントをご紹介しました。
無調でもそうでなくても、どちらでも使えるので便利なテクニックですね。
以上、参考になれば嬉しいです。
次回は、コンティギュアス・パターンについてご紹介したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。