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無調系和音のテクニックでコード進行のマンネリを解決しよう⑥ベースモーション

このシリーズでは、無調系の和音をオリジナル曲のコード進行に活かすテクニックについて書いています。(前回までの記事はこちら。)

今回は、ベースモーションについて書いてみたいと思います。

無調感にはベースモーションが重要


ベースモーションとは、コード進行の中でのベース音の動きのことです。

今までこのシリーズで書いてきたどのテクニックでも、ベースモーションが無調感を演出するために重要になります。

そもそも無調とは、ダイアトニックコードのコード進行を使わない、ダイアトニックスケールを感じさせないものを言いました。
(ダイアトニックについて詳しくはこちらをご覧ください。)

ダイアトニックスケールの音はそれぞれの音が、
全音・全音・半音・全音・全音・全音・半音、という間隔で並んでいます。
(ドレミファソラシ〜の各音の間隔ですね。)

なので、ベースモーションをこの間隔どおりに動かすと、ダイアトニックっぽさを匂わせてしまう原因になります。

例えば、こんなベース音の動きがあったとします。

C→D→E

これだけだと、全ての音が全音上への動きになっていて、ダイアトニックなのか無調なのかまだ未定な感じです。

この続きが例えばこの2パターンあったとします。

パターン1:C→D→E→F→G
パターン2:C→D→E→F#→G#

一気に無調的かダイアトニック的かが分かれました。

パターン1の場合、ダイアトニックの音の間隔と同じように、全音・全音と動いた後、半音上の音に行っています。

ダイアトニックスケールどおりの動きをしているため、一気にダイアトニック的な匂いが感じられるようになりました。

一方、パターン2は全音・全音と動いた後もさらに全音上を続けています。 

ダイアトニックにはない動きのため、無調な感じを醸し出しています。

このように、ベースの動きがダイアトニックスケールの動きを避けることにより、無調感が演出されることになるのです。

ここでは簡単にするためベース音のみで考えていますが、コードのカタチももちろんダイアトニックっぽいかどうかに大きな影響を与えます。

ただ、そもそもベース音がダイアトニック的な動きを避けていれば、コードのカタチが何であれ、ダイアトニックコードにはないコードが現れることになるため、やはりベースモーションに気を配ることが重要になります。

無調感を出すモーション


では、無調感を感じやすくするには、ベースモーションをどのようにしたらよいでしょうか。
いくつか例を挙げてみます。

P4を避ける

4度上への進行を避けましょう。

4度上への進行はダイアトニックコードの進行で最もよく使われます。

コードが展開していく感じを最も出しやすいので、逆にいうと無調の感じからは離れやすくなります。

全音・半音

1番簡単なのは、全てのベースモーションを全音または半音に統一することです。
(上の例で挙げた、パターン2の動きですね。)

これによって、全音と半音が規則的に並んでいるダイアトニックの動きを避けることができます。

等分割

1オクターブ内の12音の音を等分割した音程ずつ動かすのも面白いです。

例えば、12音を2分割すると半音6個づつ2つに分かれます。
1オクターブをCから始めた場合だと、半音6個上はF#です。

この場合、CからF#へ増4度上への進行になります。
同様に、分割するパターンによって下のようになります。

2分割:増4度(C→F#)
3分割:長3度(C→E→G#)
4分割:短3度(C→E♭→G♭→A)
6分割:長2度(C→D→E→F#→G#→A#)
(カッコ内はCから始めた場合の動きです。)

広大な無調の世界


無調的なコード進行を突き詰めていくと究極、ダイアトニックを避ければ何でもあり!という境地にたどり着きます。

それも真理なんですが、やはり何かガイドラインがないと広大な世界で立ち尽くしてしまうものです。

このシリーズが、皆さんのオリジナル曲に新たな彩りを与え、広大な無調の世界へ歩き出す手助けになれば嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



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