曲をつくるときは、頭の中だけでウンウン考えてないで、いろんな曲を聴くのが大事ですよー、というお話です。
オリジナリティとは再編集の能力のこと
全くのゼロからアイデアを生み出すのは、相当な天才でない限り不可能だと考えています。
こちらの記事でも書きましたが、
あなたの作り出す音楽はあなたが今まで聴いてきた音楽の寄せ集めです。
極端に言えばオリジナリティとはつまり、再編集の能力、だと考えています。
リファレンスは完成形のイメージ
オリジナル曲をつくるとき、つくりあげたい何となくのイメージがあると思います。
実際に書き始める前に、そのイメージに近い曲のリストを作りましょう。
そして、その曲をとことん真似てください。
変にオリジナリティを出そうとすると、おそらく途中で行き詰まるか、完成しても納得のいくものにはならないでしょう。
なぜなら、ゼロからアイデアを出してそれをカタチにするのは、途方もなく難しいからです。
イメージに近い曲のリストに入れた曲のことをリファレンス曲と呼びます。
このリファレンスは、これからつくり上げたい曲の完成形をとりあえずスケッチしたイメージ図だと考えましょう。
映画を作る際の絵コンテや建築物のラフスケッチみたいなものです。
リファレンスには主に2つの役割があります。
①心の中にある完成形を忘れないようにする
曲をつくっていていろいろとアイデアを考えていくと、煮詰まりすぎてもともと何をやりたかったのか忘れてしまうことがあります。
特に1人で作業をしていたりすると、自分のやりたいことが見えなくなることがよくあります。
このときリファレンスの曲を聴くことで、つくりたかった方向性や最初に心に描いた理想形を思い出す手助けになります。
心の中の理想形は、メモ帳やレコーダーには記録しておけないので、リファレンス曲のイメージと紐づけておくことで、それを忘れないようにします。
②アイデアの元ネタにする
丸パクリはダメですが、リファレンス曲のフレーズやメロディ、音色などから自分の曲のアイデアのヒントを貰えることがあります。
つくりたい曲とリファレンス曲のジャンル感を合わせておくと、そのジャンル特有のリズムや音色がある場合、すぐにアイデアとして役立ちます。
リファレンス曲を選ぶポイント
リファレンス曲を選ぶときは、以下のような基準で探してみましょう。
①聴いたときの印象が近い
もちろんこれが1番大事です。ただし、コード進行や歌詞の内容が同じような曲である必要はないと思います。
大事なのは、その曲を聴いたときに心に思い浮かべるイメージが同じかどうかです。
②ジャンルが似ている
これは上で書いたように、ジャンルが同じだと作曲の作法や定番のリズムなどが同じなので、アイデアのヒントになりやすいです。
③テンポが近い
テンポは、その曲が聴き手に与える印象に大きな影響を及ぼします。
テンポが近いリファレンス曲を選んでおくと、その後の作業がぐっと楽になります。
リファレンス曲のグルーブを参考にする際にもテンポは重要になります。
曲の構成や使われている楽器などは、そこまで気にする必要はないと思います。
リファレンスはあくまで自分の理想形を心に留めるためのものです。
こんな雰囲気の曲をこれからつくりたな〜、と言う視点で探してみてください。
普段のインプットが大事
当然ですが、普段からたくさんの曲を聞いていないと、リファレンスをすぐに探すのは難しいです。
たくさん音楽を聴いていれば、曲のイメージが湧いてきたとき「今心に浮かんだイメージは、あの曲の感じに似てるな」というのがすぐに思いつきます。
普段どれだけ音楽をインプットしているかが、曲を書く際のスピードや質に影響します。
Apple Music.やSpotify.など、ストリーミングサービスは、膨大な曲が聴き放題なのでリファレンス探しには最強です。
曲をつくる人は月額を払ってでもサービスを利用する価値はあると思います。
サービスを申し込むことで、積極的に曲の探究をするようになるというのもあると思います。
迷う時間が少なくなる
曲づくりで行き詰まった時、リファレンス曲を聴きましょう。
リファレンス曲と同じようにつくってみる、ぐらいの気持ちでもいいかもしれません。
(丸パクリしろという意味ではないです笑)
リファレンス曲に寄せてつくっても、出来上がるものはしっかりあなたのオリジナル曲になっているので心配ないです。
つくる過程で、あなたの再編集の能力が発揮されるので、リファレンス曲と全く同じになるということはないのです。
ぜひ一度試してみてください。曲づくりの質やスピードが上がると思います。
何より、自分のアイデアがいいものか下らないものか、リファレンスとの比較で客観的に判断できるので、迷う時間が少なくなり、精神衛生にもいいです。
参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。