この記事では、音楽の3要素(メロディ・ハーモニー・リズム)とは何なのか、楽曲にとってどんな役割を果たすのか、そして作曲するときにどう使いこなせばいいのか、について解説します。
また、近年は音楽の3要素に変化が起きているということについても解説していきたいと思います。
この記事を読むことで、一般的な音楽の3要素について理解できるだけでなく、新しい音楽の3要素(スケール・リズム・音色)についても知ることができます。
さらに、新しい音楽の3要素を曲づくりで使いこなすための具体的な方法についても解説していきます。
このブログでは、約15年の作曲活動でゲーム音楽などへの楽曲提供も行ってきた、
シンガーソングライターのSRM.が、これまでの活動の経験をもとに、
作曲や音楽活動の悩みを解決するのに役立つ知識や情報を発信しています。
音楽の3要素 ①メロディ(旋律)
メロディは、一般的なポップスでいうところの「歌」にあたる部分のことです。
ある曲を思い浮かべるとき、真っ先に口ずさむ部分がメロディーであることが多いです。
様々な高さの音が次々につながって、メロディーをつくります。
このことから、メロディーを横の音と呼ぶことがあります。
メロディーは、楽曲の顔であり曲の物語をリードするメインの存在です。
舞台演劇で例えるなら、そのお話の登場人物のようなものです。
音楽の3要素 ②ハーモニー(和音)
ハーモニーは、一般的なポップスで言うところの「伴奏」にあたる部分です。
キーボードやギターなどで演奏されることが多いです。
ハーモニーは、複数の音が同時になったときの音の響きのことです。
メロディーを横の音と呼ぶのに対して、ハーモニーを縦の音と呼ぶことがあります。
ハーモニーは、メロディーと同時に演奏され、メロディーを支え、楽曲の世界観を演出するために用いられます。
舞台演劇で言うと、衣装や小道具や照明など、登場人物を際立たせるための演出に例えることができます。
音楽の3要素 ③リズム(拍子)
リズムとは、一定の間隔で規則的に鳴らされる音のまとまりのことです。
文章だと難しく感じますが、わかりやすい例で言えば、ある曲に対して手拍子を打つこと、
これが最も簡単なリズムの一例です。手拍子を打つ数と間隔のまとまりをリズムと呼びます。
一般的なポップスでは、ドラムがリズムを担当することが多いです。
上で説明した手拍子を複雑にしていったものが、ドラムで演奏されるリズムパターンやビートになります。
リズムは、一定間隔内に鳴らされる音の数が重要になります。
例えば、1小節の中に4分音符を4つ鳴らすことができる場合、その曲は4拍子と呼ばれます。
同様に、1小節の中に4分音符が3つの場合は、3拍子となります。
4拍子や3拍子などのリズムのカタチは、曲づくりの重要な土台となります。
なぜなら、Aメロやサビなど、各パートの始まりや終わりを聴き手にわかりやすくさせる役割や、
その曲のスタイルやノリを形作る役割を担っているからです。
舞台演劇でいうと舞台装置や大道具など、物語全体を支えたり場面転換を演出するもの、と考えていいかもしれません。
音楽の3要素を作曲に生かす方法
音楽の3要素は、曲の中で同時に存在することによって、その楽曲を彩り豊かに作り上げる働きをしています。
3つの要素がどのように関わり合っているかが、その曲の個性を決めることになります。
音楽の三要素をうまくオリジナル曲に取り入れるには、既存の曲をよく研究することが効果的です。
あなたの好きな曲を、音楽の3要素に注目して聞いてみましょう。
- メロディーはどのようになっているか?
- どのようなメロディーが鳴っているときに、どのような和音が使われているか?
- リズムパターンはどのような規則性で組まれているか?
などなど。
3要素の一つ一つについて細かく分析することで、そのテクニックを自身の曲に生かせるようになります。
実際の作曲の際のテクニック
実際の作曲の際のテクニックのひとつとしては、3要素それぞれについて休符を意識するということがあります。
特にメロディとリズムは、音が鳴っていない瞬間をどこに持ってくるかで、曲の印象をダイナミックにコントロールできます。
休符の効果について詳しくはこちらの記事にも書いています。
新たな音楽の3要素
次に新しい音楽の3要素について、みていきたいと思います。
近年の音楽環境の変化によって、音楽の3要素は変化してきていると言われています。
具体的に、新たに音楽の3要素と考えられているのは、リズム・スケール・音色、の3つです。
それぞれについて、3要素が変わりつつある背景とともにみていきたいと思います。
和声理論の成熟
ポピュラーミュージックにおいては、100年ほど前から特にジャズの分野において、和声理論の探究が積極的に行われてきました。
近年においては、複雑なコード理論はかなりの成熟度をみせています。
この中で、メロディとハーモニーはいずれもスケール(ドレミファソラシドなどの音階)をもとに生み出されると考えられています。
あるスケールの構成音を使ってメロディをつくる、あるいはスケールの構成音を使ってコードをつくる、といった具合です。
近年においても、メロディとハーモニーはともに重要な要素です。
しかし、この2つとは別の要素が今までよりも重要度を増しているため、メロディとハーモニーはスケールという概念にひとまとめにされていくことが考えられます。
ヒップホップの台頭
いまや世界中のヒットチャートを席巻するヒップホップ。
ヒップホップ以外のジャンルの曲においても、その影響を多いに受けている曲は数知れません。
ヒップホップで重要な要素が、トラックとラップです。
いずれもリズムを重視した音楽要素であると同時に、音階のあるメロディや複雑なハーモニーとは違うアプローチをとることがほとんどです。
簡単に言えば、ラップには確固たる音階がないし、ヒップホップトラックにはシンプルなハーモニーが多い、ということです。
ヒップホップの台頭によって、リズムがより重要な要素に、メロディとハーモニーはスケールへひとくくりに、という流れが加速していると考えられます。
テクノロジーの進化
技術の進歩により、音楽制作においてもデジタル化が急速に進みました。
特にシンセサイザーの発展やDAW(パソコン上で音楽を編集するソフト)の高度化により、さまざまな楽器の音色をほぼ制限なく使うことが可能になりました。
そればかりか、今まで存在しなかった新しい音をシンセサイザーなどで作り方出すことも可能になりました。
こうした音楽制作が中心となった現在においては、楽曲にどんな音色が使われているかが、音楽における重要な要素になっています。
また、技術の進歩とともにサンプリングやFX音など、それまで効果音的な使い方が主だった音素材が楽曲の中心的なパートを占めることも少なくなくなりました。
音程を持たない音も含めて、曲に使われる音色の重要性は今後もさらに増していくと思われます。
新しい音楽の3要素をどうやって使いこなすか
以上、音楽の新しい3要素について考えてきました。
ではオリジナル曲をつくるとき、この3要素を自由に使いこなしていくためにはどんなことが必要でしょうか。
リズム
リズムに関しては、いろいろなジャンルの起源を遡って聴いていくことです。
リズムのバリエーションはそのままジャンルのバリエーションにつながります。
逆に言えば、さまざまなジャンルを聴くことで、リズムの引き出しをたくさんつくることができます。
音楽ストリーミングサービスなどでジャンル別のプレイリストを聴き込み、様々なジャンルのリズムの特徴を掴んでいくのがいいと思います。
音色
音色に関しては、新しい音を常に聴くことが重要です。
いまどんな曲が流行っていて、その曲にどんな音がどんな配置で使われているのか、常にアンテナを張っていることが大切です。
これにも便利なのが、やはり音楽ストリーミングサービスです。
最新の楽曲ランキングが地域別やジャンル別でまとめられています。
これらを定期的にチェックしていれば、音色の感性が自然に身についてくると思います。
音楽ストリーミングサービスの有名どころとしては、Spotify.やAmazon music.などがあります。
どれか一つ好みのものに加入しておけば、OKでしょう。
スケール
そして、スケールに関して。
これはまさに音楽理論が体系的に教えてくれる分野です。
少しづつしっかりと学んでいくことで確実に力がついていきます。
このブログでも、さまざまな音楽理論の内容を解説していますので、よろしければ読んでみてください。
【初心者向け】
【中・上級者向け】
まとめ
この記事では、音楽の3要素とは何か、作曲するときにどう使いこなせばいいのか、について解説してきました。
- 音楽の3要素とは、メロディ・ハーモニー・リズムのこと。
- 作曲に使いこなすには、既存の曲を3要素に注目して分析するのがよい。
- 実際の曲作りの際は、休符を意識するのがポイント。
また近年、音楽の3要素が変化してきていることにも触れ、それらを使いこなす方法についても解説しました。
- 新しい音楽の3要素とは、スケール・リズム。音色。
- リズムについては、様々なジャンルのリズムを理解することが大事。
- 音色については、最新の音楽をチェックして音色の感性をアップデートする。
- スケールについては、音楽理論を勉強すると身に付く。
最後に、音楽の3要素や作曲について役立つオススメ書籍を紹介して記事を終わりたいと思います。
以上、参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。