ここ何年かでchillという概念がブームになってますね。
chillとは、心地よいとかリラックスしたとか自然体とか、そんな感じの空気感のこと。
キャンプとかサウナとかの流行もその一部だと思います。
で、音楽にもchillな音楽といわれるものがありまして、主にhiphopとかでよく使われる言葉だと思います。
chillな曲を聴いて、「このビート、チルいわ〜」とか言うんだと思います。たぶん笑
例えば、こんな感じの曲とかでしょうか。
いろんなチルい、がありますね。
じゃあ音楽的にチルいビートってどんなものなんでしょうか?
ここでは、どうやったらchillなbeatをつくれるのかについて、テクニカルに書いてみたいと思います。
ズレ=揺れ=心地いい
チルなビートの特徴として、ズレがあります。正確なテンポで演奏してないということです。
悪く言えばヨレてる。
人の手で演奏される音楽は、機械ではないので、必ず少しはズレがあります。
チルなビートは、このズレを意図的にビートに入れ込んでいるわけです。
短いビートをつくってみたので、下の二つのビートを聴き比べてみて下さい。
どっちがズレを感じますか?
上がズレを意図的に打ち込んだビートです。
下がズレてない機械的に打ち込んだビート。
どうでしょう?
chill、感じました?
このズレが一定のリズムで続くことで、独特の揺れに感じます。
揺れがあると心地よく感じるのは、人間の特性みたいだす。
ゆりかごに揺られてたときから、みんな感じてましたよね。
揺れをテクニカルにつくりだす
この揺れ、実はとても機械的に作り出せます。
作り方はこんな感じ。
①ビートの一部、たとえばハイハットを打ち込むとき、普通は1拍ごとに8分音符を2個いれます。
これを4拍(1小節分)つなげるとこんな感じ。
揺れたいときは、まず1拍ごとにに16分音符を5個詰め込んで下さい。
各音符の長さは均等になるように。
4拍(1小節分)にするとこんな感じ。
②次に、5個入れた16分音符の中から、2個好きなところをえらび他はミュートします。
これを4拍(1小節分)つなげるとこんな感じ。
これをワンフレーズ(4小節とか)ループさせると揺れを感じるビートになります。
どこを鳴らしてどこをミュートするかで、いろいろな種類の揺れをつくれます。
いろいろ混ぜる
もちろん揺らすのは、ハイハットでなくて、バスドラでもスネアでもベースでも何でもOK。
どの楽器を揺らして、どの楽器を揺らさないかで、またいろいろな組み合わせできますね。
オススメは、揺らさない楽器と揺れてる楽器を適度に混ぜること。
楽器間のズレがまた何とも言えない揺れをうみます。
あとは、揺らした楽器のフレーズの中でたまに揺れてない箇所をつくること。
揺れてる箇所と揺れてない箇所の対比が面白い感じになります。
冒頭のビートは上記のテクニックをいろいろ組み合わせてます。
どこをどんな感じで揺らしてるか聴いてみてください。
自分だけの組み合わせをつくろう
どこをどう揺らすかが、その人なりのchillの表現になるんですね。
ちなみに上で書いたようなビートを英語でDrunk beat. と呼んだりします。
お酒に酔ったときの千鳥足や呂律の回らなさも、人によって個性がでる、みたいな感じですかね。
(ちょっと何言ってるかわかりませんが笑)
揺らしたり揺らさなかったりしてリスナーの心を揺さぶってみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。