この記事を読むとわかること
- 音楽活動に目標設定が必要な理由
- 目標の設定をするときのコツ
- 目標を達成するために必要な行動
音楽活動がマンネリ化している、とか、いろいろと活動してきたけど思うような結果になっていない、なんて悩みを抱えていませんか。
またこれから音楽活動を始める人も、具体的にどんな行動から始めればいいのかわからない、と迷ったりしていませんか。
そういった悩みは、音楽活動の目標を上手く設定できていないからかも知れません。
この記事では、音楽活動に目標設定が必要な理由と目標設定の5つのコツについて解説していきます。
また、目標を達成するために必要な行動についても説明したいと思います。
【働きながら音楽活動をするときの全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。】
目標設定の5つのコツは、以下のとおりです。
- 目的と目標の違いを意識する
- 目的から逆算する
- 具体的な内容・数値に落とし込む
- 行動目標を導き出す
- 3段階の目標を決める
このブログでは、約15年の作曲活動でゲーム音楽などへの楽曲提供も行ってきた、
シンガーソングライターのSRM.が、これまでの活動の経験をもとに、
作曲や音楽活動の悩みを解決するのに役立つ知識や情報を発信しています。
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音楽活動に目標設定が必要な理由
音楽活動の目標設定をするメリットを一言でまとめると、いま取り組むべきことがすぐわかる、ということです。
音楽活動がマンネリ化したり、方向性を見失うのは、活動の軸を定めずに目の前のことに闇雲に取り組んでしまっているからです。
音楽活動を有意義なものにするには、音楽活動で最終的に達成したいゴールと、そのゴールを達成するための具体的なステップを決める必要があります。
最終的なゴールは人それぞれさまざまです。
武道館ライブを達成する、再生回数1億回の曲をつくる、など。
最終的なゴールのことを、音楽活動の「目的」と呼びます。
目的を明確にすることが音楽活動で最初に取り組むべきことになります。
【目的についてはこちらの記事で詳しく解説しています。】
目的が明確になったら、その目的に必要なステップを導き出して行きます。
この目的達成に必要なステップのことを音楽活動の「目標」といいます。
最終的に達成したいゴールを明確にしたうえで、どのようなステップでゴールに向かうかの目標を設定する。
そうすることで、目の前の活動と最終的な活動の目的を一直線につなげることができます。
音楽活動のマンネリ化や方向性の見失いは、最終的に達成したいゴールがあやふやで、目の前の行動と結びついていないことがほとんどです。
目標を確認することで、目的達成のために今取り組むべきことは何なのかをすぐに判断できるようになります。
今やるべきことが明確になることで、自信を持って活動に取り組めます。
また、無駄な活動に手を出さなくて済むので、効率的に活動することができます。
有意義な音楽活動のためには、目的の明確化とそれを達成するための目標設定がとても重要なのです。
目標設定のコツ①:目的と目標の違いを意識する
では、具体的に目標を設定するときのコツについて説明していきたいと思います。
コツの1つめは、目的と目標の違いを意識するです。
- 目的:大きなビジョン、最終的なゴール
- 目標:目的を実現するために達成すべき具体的な数値
と捉えると分かりやすいです。
目的とは、音楽活動で最終的にどうなりたいのか、というゴールのこと。
武道館でライブをする、ファンクラブ1万人を達成する、子どもの心を癒す音楽を届け続ける、などなど。
人によってさまざまな目的が考えられます。
【音楽活動の目的についてはこちらの記事で詳しく書いています。】
目的にたどり着くための、具体的なステップのことを目標といいます。
例えばファンクラブ1万人が音楽活動の目的だとしたら、まずはファンクラブの会員を1000人集めるとか、1ケ月以内にファンクラブサイトを立ち上げるとか、目的に至るまでに取り組むべき項目が目標となります。
目標は具体的な数値に落とし込むと達成しやすくなります。(3つめのコツのところで詳しく解説します。)
目的と目標をごちゃごちゃにしないように注意して下さい。
よくある失敗として、目的を明確にしないまま、とりあえず思いついた目標に取り組んでしまうことがあります。
例えば、何の目的もなしにライブハウスに出演したり、とりあえず曲を作って配信してみたり、なと。
最終的にどうなりたいかを決めずに、とりあえずライブ出演や楽曲リリースをしても、場当たり的な活動になってしまい最終的にどうなりたいのかが見えません。
例えばもし後から、自分の音楽活動の目的が「海外で活躍する歌手になる」だと気づいた場合、それまで日本のライブハウスに出演したり、日本語の曲を配信していたとしたら、その活動は見当違いの行動だった、ということになってしまします。
海外で活躍したいなら、世界向けの配信ライブをする、英語の曲をリリースする、などの方が目的達成により近い行動になります。
このように目的が前提にあって、その達成手段が目標です。
目的を決めてこそ、取り組むべき目標が見えてくるのです。
その違いをしっかりと意識して、まずは音楽活動の目的を明確に定めましょう。
目標設定のコツ②:目的から逆算する
目的が明確に定まったら、そこから目的達成のために必要な具体的ステップを逆算していきます。
逆算の手順について順番に説明します。
例として、「海外で活躍する歌手になる」という目的のための目標設定の手順を考えてみましょう。
目的に問いを投げかける
まずは、目的達成のために必要なステップを深堀りしていきます。
「どうすればそれが達成される?」という問いをひとつづつ投げかけていくといいです。
例えばこんな感じ。
目的:「海外で活躍する歌手になる」
問:海外で活躍するにはどうしたらいい?
答:海外のライブに多く出演する
問:海外のライブに出演するにはどうしたらいい?
答:海外のライブハウスにブッキング交渉する
問:海外のライブハウスにブッキング交渉するには何が必要?
答:英語力・海外で評価される楽曲・集客力があることの証明
問:英語力・海外で評価される楽曲・集客力があることの証明を手に入れるにはどうしたらいい?
答:英語の勉強・海外移住・英語の楽曲の制作・YouTubeやSNSでのフォロワー数を増やす
問:英語の勉強・海外移住・英語の楽曲の制作・YouTubeやSNSでのフォロワー数を増やすために今できることは?
答:英会話教室に申し込む、海外移住の方法をネットで検索する、売れている英語の曲を研究する、YouTubeチャンネルを開設する、SNSのアカウントを作る
こんな感じで、目的のために必要なことをどんどん掘り下げていきます。
そして、いますぐに取り組めることまで掘り下げたら、順番にステップとして並べていきます。
手前から並び替える
上の問いで出てきた答えを、すぐ取り組めるものから順に並び替えます。
- ステップ1:英会話教室に申し込む
- ステップ2:海外移住の方法をネットで検索する
- ステップ3:YouTubeチャンネルを開設する
- ステップ4:SNSのアカウントを作る
ここでは、英語力についてだけ書き出していますが、他の内容についてもそれぞれ順番に書き出します。
並びかえているうちに、途中でこれも必要だな、という物が出てくると思うので、随時追加していきましょう。
- ステップ1:英会話教室をネットで調べる
- ステップ2:英会話教室に申し込む
- ステップ3:英語の勉強
- ステップ4:英語力をつける
- ステップ5:出演したい海外のライブハウスを調べる
- ステップ6:海外のライブハウスにブッキング交渉
- ステップ7:海外のライブに出演
とりあえず、目的から逆転して取り組むべき目標が見えてきました。
しかし、これだとまだ全然具体的じゃありません。
次は書き出した各ステップを具体にして行く作業が必要になります。
目標設定のコツ③:具体的な内容・数値に落とし込む
上で書き出した各ステップを具体的な内容と数値にしていきます。
目標を具体的な数値にすることで、より取り組みやすく、達成しやすいものになります。
目標を具体的にする際は、次の5つを意識すると考えやすいです。
- 具体性があるか
- 測定できるか
- 達成できるか
- 目的と関係があるか
- 期限があるか
ちなみに、上の5つは英語の頭文字(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-boxed. )をとってSMART法と呼ばれています。
SMART法は目標設定の際の基準として有名です。
具体性があるか
その目標は何をどうするかことなのか、ということがはっきりと言葉にできる必要があります。
また目標の対象を気分や雰囲気など、人の主観で変わるようなものにしないことが大切です。
測定できるか
目標が達成されたことを数字で判断できる必要があります。
目標は具体的な数値で設定しましょう。
でないと、その目標が確実に達成されたのか曖昧なまま次に進んでしまう危険性があります。
達成できるか
そもそもその目標は物理的に達成可能なものなのか冷静に判断しましょう。
無理な目標を設定してしまいモチベーションを失ってしまっては、元も子もありません。
目的と関係があるか
壮大な目標を設定しても、その目標が目的達成の役に立たなければ何の意味もありません。
ただ「やっている感」を味わって悦に入るためだけに、目的と無関係な目標を立ててしまっていることが意外と多くあるものです。
期限があるか
目標には、いつまでに達成するかという期限を必ず付けましょう。
でなければ、いつまでも先延ばしできてしまいます。
自分に甘い人ほど、目標に期限をつけることは効果的です。
以上の各基準をそれぞれのステップに当てはめて具体的にしていきます。
先ほどの例で書き出したステップは以下の通りでした。
- ステップ1:英会話教室をネットで調べる
- ステップ2:英会話教室に申し込む
- ステップ3:英語の勉強
- ステップ4:英語力をつける
- ステップ5:出演したい海外のライブハウスを調べる
- ステップ6:海外のライブハウスにブッキング交渉
- ステップ7:海外のライブに出演
SMARTの各基準をもとに書き替えてみます。
- ステップ1:1週間以内に出演したい海外のライブハウスを3つ調べる
- ステップ1:2週間以内に英会話教室をネットで5つ調べる
- ステップ2:1ヶ月以内に英会話教室に申し込みを完了する
- ステップ3:1年以内に英語の勉強でTOEIC600点をとる
- ステップ4:2年以内に英語の勉強でTOEIC800点をとる
- ステップ6:2年半以内に海外のライブハウスにブッキング交渉して少なくともも1つのライブハウスの出演を決める
- ステップ7:3年以内に海外のライブに出演
このような感じで、各ステップをSMART法を反映させた内容に書き換えてみましょう。
これにより、目標を具体的な内容・数値に落とし込むことができます。
目的を達成するための各ステップから、具体的な内や数値を導き出した各ステップのことを成果目標と呼んだりします。
目標設定のコツ④:行動目標を導き出す
成果目標を設定できたら、次は行動目標を設定していきます。
行動目標とは、成果目標を達成するためにする具体的な行動のことです。
こちらも具体的な内容・数値で設定します。
例えば、先ほどの例のステップ1:1週間以内に出演したい海外のライブハウスを3つ調べる、
についての行動目標を設定するなら、
- 火曜日までに出演したい国を1つ決める
- 木曜日までに出演したいライブハウスの条件を3つ考える
- 金曜日までにネット検索で条件に合うライブハウスの候補を10個出す
- 土日で候補から3つに絞り込む
といった感じです。
考えるときのコツは、各成果目標に対して、今すぐ取り組めるくらい小さく細分化した行動を設定していくことです。
すぐに行動に移せるように設定しておけば、目標を達成できる可能性も上がります。
1つの項目につき5〜10分、長くても30分くらいで完了できるくらい細分化して設定しておくと、行動しやすくなると思います。
目標設定のコツ⑤:3段階の目標を決める
成果目標や行動目標を設定する際のコツとして、3段階の目標設定というのがあります。
各目標について、Best・Better・OKの数値を決めておくのです。
例えば、1年以内に英語の勉強でTOEIC600点をとる、という目標で考えてみます。
目標の数値はTOEIC600点です。
しかし単に600点とだけ決めてしまうと、結果が599点だった場合、この目標は失敗に終わったということになってしまいます。
これでは本質的ではありません。
そこで、3段階の数値を決めて幅を持たせておくのです。
- Best:達成できたら最高!という値
- Better :Best とOKの間の現実的な数値
- OK:最低でも達成しなければならない数値
Betterの数値は、難しいかもしれないけど少し頑張れば達成できるかも、というぐらいがいいです。
例えば先ほどの例で設定するなら、
- Best:TOEIC750点
- Better :TOEIC600点
- OK:TOEIC550点
といった具合に、目標の数値に幅を持たせておきます。
3段階の数値を設定する利点は主に2つ。
冷静に目標の達成状況を分析するため
目標の達成状況がOKの数値ばかりだった場合、目標設定が少し高すぎる可能があります。
逆にBestばかりを達成している場合、取り組んでいる目標が簡単過ぎるものになっているかもしれません。
この場合、目標ではなく音楽の目的自体を見直してみるのもいいかもしれません。
自己肯定感を下げないため
シビアに1つの数値を設定して達成できるかどうかを考えてしまうと、達成できなかったとき、負の感情が溜まっていってしまいます。
今回はまあまあ達成できた、今回はかなり達成できた、と達成の幅を持たせておくことで、自己肯定感を下げずに目標に対する行動を進めて行くことができます。
目標達成に必要な行動
最後に、目標に取り組むときにおさえておくと役立つポイントをいくつか紹介したいと思います。
お金・人・時間の順で考える
目標を達成するために闇雲に努力をするよりは、お金・人・時間を頼ると効率的です。
お金を払えば目標達成できるかどうか、まず最初に検討します。
例えば、英語の勉強なら独学より教室に通う方が上達が早いでしょう。
海外進出なら自力でやるよりエージェントを雇って進める方が圧倒的に効率的です。
お金を払うことで大幅に時間を短縮できることが多いので、すぐに次の目標へと行動を進めていくことができます。
ただ予算には限界があるので、お金を頼ることが難しい場合は、人に頼れないか考えます。
例えば、英語が喋れる友達に教えてもらう、海外経験のあるミュージシャン仲間に相談に乗ってもらうなど。
自分1人の経験や知識には限界がありますが、人に頼ることで1人でやる何倍もの情報や成果を得ることができます。
頼る人が誰もいない場合、最後に時間をかけることを考えます。
独学での英語の勉強も自力での海外進出も、時間をかければできないことはありません。
しかし、時間は限りある貴重な資源なので、時間をかけるという戦略は最後の手段と考えておく方が得策だと思います。
一度に取り組むのは1〜3つまで
目標は細分化することで達成しやすくなりますが、その分取り組むべき目標が増えることになります。
たくさんの目標があるといろいろなものに手を出したくなるものです。
しかし平行して取り組む目標は、なるべく少ない方が実は効率的です。
人間の脳はたくさんのことを同時に処理できるようにはなっていないため、あえて1つに決めて集中して取り組んだ方が効率よく処理ができるのです。
同時に取り組む目標は1つに決める。少なくとも3つよりは増やさない。
とルールを決めると、複数同時に取り組むよりもはかどると思います。
目標を見直す場合
思うような成果が感じられないときは、目標の見直しが必要な場合もあります。
目標を見直す際は、成果が出ていないと感じる原因から考えるといいです。
主な原因としては以下のようなものがあります。
目標の達成度が足りない
この場合は単純に行動量が足りていないだけなので、目標の見直しをするには早いです。
もう少し行動量を増やして取り組みを続けてみましょう。
目標設定が低い
目標を達成したのに成果を感じられない場合は、目標設定がそもそも低過ぎる可能性があります。
当初の設定より目標の数値を上げて設定し、再度取り組んでみてください。
行動目標は達成しているのに成果目標が達成できていない
この場合は行動目標の設定が見当違いなものになっている可能性が高いです。
成果目標につながる行動が他にないか分析し直して、行動目標の設定を見直してみましょう。
まとめ
この記事では、音楽活動に目標設定が必要な理由と目標設定の5つのコツについて解説してきました。
音楽活動に目標を設定すると、今取り組むべきことがすぐにわかり、効率的に活動を進められるという利点があります。
目標設定の5つコツとしては以下のとおりです。
- 目的と目標の違いを意識する:目的が前提にあってその達成手段が目標です。
- 目的から逆算する:どうすれば目的を達成できるか?という問いを投げかけて深堀りします。
- 具体的な内容・数値に落とし込む:SMART法を使って数値を設定します。
- 行動目標を導き出す:成果目標に対する行動を具体的に定めます。
- 3段階の目標を決める:Best・Better・OKの3段階で数値を設定します。
また、目標を達成するために必要な行動について役立つポイントを解説しました。
まずお金や人を頼れないか考えたり、一度に取り組む目標をなるべく少なくすることで、より効果的に目標達成に近づくことができます。
目標がしっかり設定できたら、あとは行動するのみ。
行動するときにネックになってくるのが、時間の確保です。
働きながら音楽活動をしている場合は、時間が足りない!というのが最大の課題となってくると思います。
しっかり対策して、充実した音楽活動を進めていきたいですね。
【時間の確保については、こちらの記事で詳しく解説しています。】
以上、あなたの音楽活動に少しでも役立てば嬉しく思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【オススメ記事】
【働きながら音楽活動をするときの全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。】