カテゴリー別記事まとめ(←横へスクロール)

作曲に使えるコードを増やす14本のスケールたち:メロディクマイナー関係②

このシリーズでは、様々なスケールについて解説しています。
(前回までの記事はこちら。)

今回は前回に引き続き、メロディクマイナー関係のスケールについて紹介したいと思います。
(今回もキーボードで確認しながら読んでいただけると、よりわかりやすいです。)

前回の記事では、メロディクマイナーとは何かについてご紹介していますので、未読の方は是非、合わせてご覧下さい。

リディアンドミナント


前回紹介した7つのメロディクマイナー関係スケールのうち、④番目にあたるスケールです。

音階と全半音関係はこんな感じでした。
(ドの音から始まる場合)

ド・レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ♭:
全全全半全半全

ちなみにリディアンドミナントを表記するときは、慣習的にLyd7thと表すことが多いです。

では、コードを考えてみましょう。
1番低い音から1音飛ばしで重ねてみます。

ド・ミ・ソ・シ♭
となり、これはドミナントセブンスコードですね。表記はC7。

(コードの基本についてはこちらの記事をご参照下さい。)

次にテンションを考えましょう。
テンションで使える音は、

スケール上の音で、、
①コードトーンの間にある音
②前の音と全音以上はなれている音

でした。
(テンションについて詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。)

この条件に当てはまるのは、
ド・レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ♭の中で、レ・ファ#・ラ、の音になります。

それぞれの音は、ドから見ると、9th・♯11th・13thにあたります。

なので、テンションを全て使った場合の表記は、C7(9・♯11・13)、となります。

使い方については、オルタードスケールと一緒に説明したいと思います。

オルタード


次にオルタードスケールです。
表記は、altとされることが多いです。

オルタードは、メロディクマイナー関係の⑦番目のスケールにあたります。

こんな感じのスケールでした。
(ドの音から始まる場合)

ド・レ♭・レ#・ミ・ファ#・ラ♭・シ♭:
半全半全全全全


コードを考えます。
まずはルートから1音飛ばしで音を重ねてみましょう。すると、

ド・レ#・ファ#・シ♭
となります。これは、

ド・ミ♭・ソ♭・シ♭
と同じ音で、マイナーセブンフラットファイブコードになります。
コード表記はCm7(♭5)です。

この他に、オルタードはいろんなコードが作れるスケールなんですが、1番特徴的でよく使われるコードがこんなコードです。

ド・ミ・シ♭
これは、5度の音(ソの音)が省略されたドミナントセブンスコード、C7です。

あえて、5度を省略したのは、テンションを考えてみるとわかります。

ド・レ♭・レ#・ミ・ファ#・ラ♭・シ♭
のうち、ド・ミ・シ♭をコード構成音とみると、残りの音のうち、レ#・ファ#・ラ♭は全てテンション音の条件を満たします。

また、テンション音の条件の例外に、ドミナントセブンスコードの場合は♭9thをテンションとして使ってOK!


というのがあります。
(詳しくはこちらをご覧ください。)


なので、レ♭の音もテンションとして使用可能です。
まとめると、

レ♭=♭9th
レ#=♯9th
ファ#=♯11th
ラ♭=♭13th

がテンションとなり、スケール上の全ての音がコード構成音とテンションで使用できることになります。
コード表記をすると、C7(♭9・♯9・♯11・♭13)となります。

どんなときに使うのか


2つのスケールからはともに、ドミナントセブンスコードが導き出されました。

(ドの音がルートの場合)
Lyd7th:C7(9・♯11・13)
alt:C7(♭9・♯9・♯11・♭13)

コード進行でドミナントセブンスコードが使われているところに、これらのスケールのコードを使うと、使えるテンションが変化し、微妙な表情の変化をつけられます。

次に来るコードがメジャー系のコード(メジャーセブンスコードなど)の場合Lyd7thを、マイナー系のコード(マイナーセブンスコードなど)の場合altを使うと雰囲気に合うと思います。

例えば、こんなコード進行が考えられます。
(キーがCの場合)

Dm7→G7(♯11・13)→CM7
FM7→E7(♭9・♭13)→Am7

それぞれ二つ目のコードにLyd7th・altを使っています。(テンションは全部使わなくてもOK、その都度合うと思うものを選択します。)

あと、高度な使い方としては、Lyd7thとaltを、ルートが半音6個違う音に変えて入れ替えOK、というのがあります。

先ほどの例だと、
FM7→E7(♭9・♭13)→Am7

のE7のルート音を半音6個移動させた、B♭に替えて、さらにスケールをLyd7thに変更します。
すると、

FM7→B♭7(9・13)→Am7
というコードができます。

Lyd7th→からaltへの入れ替えも同様に可能です。

メロディクマイナー関係で楽曲をオシャレに



さて、今回はメロディクマイナー関係の2つの重要なスケール、リディアンドミナントとオルタードを紹介しました。

2つとも、テンション音が多様なのでオシャレな感じや大人の雰囲気を出したいときに効果的だと思います。

これでこのシリーズで紹介したスケールは14本になりました。

次回は、14本のスケールをまとめてみたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


初心者向けの音楽理論メール講座(無料)を配信中!


関連記事

  1. 【初心者向け】曲作りに役立つ音楽理論:その③

  2. コード表記からスケールを導き出す方法

  3. 無調系和音のテクニックでコード進行のマンネリを解決しよう③ペダルポイント

  4. 曲のメジャーとマイナーの違いとは

  5. 【初心者向け】曲作りに役立つ音楽理論:その④

  6. 作曲に使えるコードを増やす14本のスケールたち:メロディクマイナー関係①

  7. 【初心者向け】曲作りに役立つ音楽理論:その⑤

  8. 作曲に使えるコードを増やす14本のスケールたち:HmP5b・ホールトーン

無料の音楽理論メール講座を配信中!

管理人SRM.のプロフィール

シンガーソングライター/音楽活動歴約15年

メジャーレーベル歌手のレコーディング参加や大人気太鼓系ゲームへの楽曲提供あり。

作曲テクニックや音楽理論、音楽活動の悩みを楽にするテクニックについて発信しています。

  YouTube.

詳しいプロフィールはこちら

SRM.の音楽活動についてはこちら!

人気記事

PAGE TOP