パラレルメジャーという考え方がコード進行にバリエーションを与えてくれます。
オリジナル曲に応用しやすいテクニックなので紹介させてください。
パラレルとは
パラレル(Parallel)とは英語で平行という意味の言葉です。
音楽で用いるときは「同じルートを持った」というような意味で使います。
一般的なのは、パラレルマイナーというものです。
例えば、Cから始まるダイアトニックスケールがあったとします。
(ダイアトニックスケールについて詳しくは、こちらをご覧下さい。)
音名で言うと、ドレミファソラシ、となりますね。
このCで始まるダイアトニックスケールを、始まりの音を変えずにマイナースケール(エオリアンスケール)に変えてみます。
(エオリアンスケールについては、こちらをご覧ください。)
すると音名は、ドレミ♭ファソラ♭シ♭、に変化します。
このスケールが、Cから始まるダイアトニックスケールのパラレルマイナーのスケールになります。
パラレルマイナー=ルート(始まりの音)が同じマイナースケール、です。
このマイナースケールを並び替えてダイアトニックスケールにすると、もとのダイアトニックスケールから見て半音3つ上のダイアトニックスケールになります。
上の例でいくと、
① もとのダイアトニックスケール:ドレミファソラシ
② パラレルマイナー:ドレミ♭ファソラ♭シ♭
③ ②を並び替えたダイアトニックスケール:ミ♭ファソラ♭シ♭ドレ
となります。
③は①(Cから始まるダイアトニックスケール)を半音3つ上にスライドさせたスケール(E♭から始まるダイアトニックスケール)になっています。
これはコード進行のバリエーションとしてよく使われる、借用コードの借用もとの近親調にあたります。
(近親調について詳しくは、こちらをご覧ください。)
パラレルメジャーとは
では、パラレルメジャーとはどんなものでしょうか。
ルート音がCのダイアトニックスケールを並び替えると、Aの音をルートとするマイナースケールが現れます。
① Cから始まるダイアトニックスケール:ドレミファソラシ
② ①を並び替えたマイナースケール:ラシドレミファソ
さらに②をルート音を変えずにダイアトニックスケールに変化させます。
③ ②とルート音が同じダイアトニックスケール:ラシド#レミファ#ソ#
このとき、③のスケールのことを①のスケールのパラレルメジャーのスケールといいます。
パラレルとリレイティブ
何だかややこしくなってきましたね笑
まとめましょう。
Cから始まるダイアトニックスケールを基準にすると、下の図のようになります。
ちなみに、図の中で「=」でつながっている関係(始まりの音が違うだけで、使われている音は全て同じスケール同士)のことをリレイティブのスケールといいます。
パラレルメジャーをコード進行に取り入れる
このパラレルメジャーのスケールからコードを導き出します。
といっても、ルート音が変わっただけでスケール自体はダイアトニックスケールなので、導き出されるコードも当たり前ですがダイアトニックコードになります。
(ダイアトニックコードについては、こちらをご覧下さい。)
もともとのCをルート音にしたダイアトニックコードと、パラレルメジャーのコードを並べてみます。
ダイアトニック:CM7・Dm7・Em7・FM7・G7・Am7・Bm7(♭5)
パラレルメジャー:AM7・Bm7・C#m7・DM7・E7・F#m7・G#m7(♭5)
もととなるダイアトニックコードには現れないコードがたくさん現れました。
これらのコードをダイアトニックコードのコード進行に織り交ぜていくと、意外性のあるコード進行をつくることができます。
例えばこんなコード進行はいかがでしょうか。
FM7→DM7→CM7→E7→
Am7→C#m7→Dm7→F#m7
もとのダイアトニックコードとパラレルメジャーのコードからランダムに選んで交互に並べてみました。
次に何が来るか分からない、というような意外性のあるコード進行ができました。
表現したい内容によって、パラレルメジャーをどのくらい混ぜ込むかは調整してください。
少し混ぜるだけでも十分意外性を演出できると思います。
まとめ
今回はパラレルメジャーをご紹介しました。
パラレルメジャーの導き方さえ理解すれば、あとはわりと自由に織り交ぜていけばいいので、便利だと思います。
コード進行の一つの選択肢として使ってみてください。
以上、参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。