音楽をやっていると避けて通れないのがリズム感です。
リズムを感じられないとか、リズムが読めなくて曲が弾けないとか、苦手意識のある人も多いと思います。
今回はリズム感を鍛えるにはどうしたら良いか書いてみたいと思います。
ポイントは視覚化
曲を聴いてリズムがわからない、と言う人はリズムを視覚的にイメージできていない場合が多いです。
視覚的にイメージするとはつまり、リズムを聴いて紙に書けると言うこと。
楽譜をしっかり書けなきゃいけないわけではありません。
リズムのカタチさえ書ければいいんです。
書けると言うことは、頭の中でリズムを視覚的にイメージできていると言うことになります。
リズムのカタチは5つしかない
リズムを書くためには、リズムの基本的な文法を知っておく必要があります。
しかし、難しいことはありません。基本的なカタチは5つだけです。
同じリズムの言葉と一緒に覚えるとわかりやすいです。
①:タータタ(サービス)
②:タタター(楽しい)※たのしー
③:タアアタ(そーっと)※そーーと
④:タタアア(向こうを)※むこーー
⑤:タタアタ(お掃除)※おそーじ
リズムはこれら5つの組み合わせと引き伸ばしです。
組み合わせとは、タイでつなぐこと。
例えば、以下のような感じです。
一見すると複雑に見えますが、全て基本の5つのカタチをタイでむすんだだけになっています。(上の基本のカタチでいうと、⑤・②・①・③・③の順ですね。)
組み合わせには、休符も含まれます。
また、引き伸ばしとは例えば、16分音符を倍にして8分音符にするといったようなこと。
上の①を倍の長さに引き伸ばせば、
さらに倍にすれば、
となります。
5つのカタチさえ覚えてしまえば、フレーズによって8分音符に置き換えて考えたり、4分音符に置き換えて考えたりすればいいだけです。
まずは5つのカタチを頭に叩き込みましょう。
コンダクティングしよう
あとはいろんな曲を聴いて、基本の5つのうちどのリズムが使われているかを書き出す訓練をするだけです。
音程は気にせず、リズムのみに集中して分析してみてください。
ここは地道な訓練になりますが、これがリズム感を育てる大事なトレーニングになります。
コツは、コンダクティングをしながらリズムを感じること。
コンダクティングとは、拍子を数えることです。
下記のように空中で手で振りながら、声に出してリズムを口ずさむとわかりやすくなります。
(赤い番号が各拍のオモテ、黒い番号が各拍のウラの位置になります。)
このとき、手で振った軌道を空中にイメージしてください。
口ずさんだリズムがその軌道のどこのタイミングで鳴っているかを視覚的にイメージすることで、判断しやすくなります。
イメージしたリズムが、基本の5つのどれにも当てはまらなそうだなぁ、と感じたらタイが使われている可能性を考えます。
その場合は、聴き取ろうとしているリズムに対して、もしここがこう変われば基本の5つのうちのこれとピッタリ合うぞ、という仮説を立てて書き出してみます。
さらに、書き出したもをいろんな箇所でタイで結んでみて、聴き取りたいリズムと合致するものがないかを探します。
最初は勘でいいので、タイで結ぶ場所をいろいろ試してみてください。
訓練を進めていくうちに経験値がたまり、1発でタイの場所を判断できるようになってきます。
頭の中に思い浮かぶように
一連の訓練をすることで、フレーズを耳で聴いたただけで、どんなリズムになっているか、頭の中にリズム譜が思い浮かぶようになります。
こうなれば、たいていの音楽に対応できるリズム感が養われていると思います。
また、ファンクやジャズなど、複雑なリズムの聞き取りに挑戦するとさらにレベルアップできると思います。
といったわけでリズム感のお話でした。
イヤトレもそうですが、音楽の基礎力を育てるにはスポーツと同じで、地道な訓練が必要なんですね。
耳を育てるのは、筋肉を育てるのと似ていると思います。
以上、参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。