普通のコード進行を華やかに変えたい、もっとおしゃれにしたい、メロディにこったハモリをつけたい。
そんなときにUSTというテクニックを使うと便利なのでご紹介したいと思います。
USTとは
USTとはUpper Structure Triad.(アッパー・ストラクチャー・トライアド)の略です。
日本語にすると、上部構成三和音、みたいな感じです。
言葉だけだと意味不明ですね笑
このテクニックは、あるコード進行の上にさらに3和音を付け足して和音をよりリッチにしよう!という技です。
例えばこんなシンプルなコード進行があったとします。
CM7→FM7→G7
このコード進行のそれぞれのコードに3和音をプラスしていきます。
今それぞれのコードが4和音なので、3和音づつ足して7和音づつにしよう!ということです。
USTの作り方
3和音を付け足す手順は以下の通り。
①:元のコードの構成音とテンションの可能性のある音を全て書き出す。
②:①の音を組み合わせてできる3和音のメジャーコードとマイナーコードを書き出す。
③:②の中で、もとのコードのテンション音が含まれているものを選びだす。
④:③で選んだコードともとのコードを一緒に鳴らす。
上の例の、CM7で考えてみましょう。
①の構成音とテンションの可能性のある音は以下の通りになります。
C・E・G・B・D・F#・A
(コードのテンション音について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。)
②の組み合わせてできる3和音のメジャーコードとマイナーコードはこんな感じ。
C(C,E,G)・D(D,F#,A)・Em(E,G,B)・G(G,B,D)・Am(A,C,E)・Bm(B,D,F#)
(カッコ内は構成音の組み合わせです。)
ちなみに、F#dim(F#,A,B)という3和音もできますが、メジャーコードでもマイナーコードでないので除外します。
③で、テンション音を含んだコードを選び出します。
DかF#かAが含まれているコードなので、
D(D,F#,A)・G(G,B,D)・Am(A,C,E)・Bm(B,D,F#)
の4つになります。
あとは、上の4つの中から好きなものを一つ選び、もとのコードであるCM7と一緒に鳴らします。
ここではD(D,F#,A)を選んでみましょう。
CM7とDを同時に鳴らします。
このとき、3和音の方を高い音で鳴らすようにします。
CM7が下でDが上です。
構成音を低い方から並べるとこんな感じになります。
C・D・G・B・D・F#・A
実際に鍵盤で弾いてみてください。
一気にリッチでおしゃれな感じになったと思います。
USTの表記
コードの表記は分数コードで表します。
先ほどつくったUSTを表記すると、
D/CM7
というふうになります。
ちなみに、実際の表記は分数を表す横棒が、斜めでなく水平になります。
こんな感じ。
(分数コードの表記について詳しくは、こちらの記事をご覧ください。)
どんなふうに使うのか
最初のコード進行の例を使って、他のコードもUSTをつくってみました。
例えばこんな感じにできます。
D/CM7→Dm/FM7→Em/G7
それぞれUSTの作り方の手順を見ながら、どんなふうにつくったか考えてみてください。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れればすぐできると思います。
USTの使い方は主に、コード進行のバリエーションとハモリのバリエーションとしての使い方があります。
次回の記事では、これらの使い方について詳しく解説したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。