この記事ではオリジナル曲のコード進行をリッチにしてくれる、USTというテクニックについて説明しています。
(前回の記事はこちら。)
今回はUSTの使い方について、説明していきたいと思います。
コード進行のバリエーション
前回の記事でも書いたように、USTはコード進行をかなりリッチに変える事ができます。
さらに深いところでは、もとのコード進行と上に付け加える3和音で二つのコード進行が同時に進んでいくような曲も作ることができます。
例えばもとのコードがこんな感じだったとします。
Dm7→CM7→FM7→G7
キーがCのダイアトニックコードが使われています。
(ダイアトニックコードについては、こちらの記事をご覧ください。)
これらのコードそれぞれにUSTを使って、こんなふうにしてみました。
Am/Dm7→Bm/CM7→G/FM7→Em/G7
USTで付け足した3和音だけを抜き出してみると、
Am→Bm→G→Em
となります。これはキーGのダイアトニックコードの進行になっています。
つまり、このコード進行はキーCとキーGが同時に進んでいくコード進行ともいえるのです。
キーが1つにおさまらないことによって、なんとも言えない浮遊感を演出することができます。
2つのキーのコード進行を作るコツは、もとのコード進行とは違うキーのダイアトニックコードでUSTの3和音をつなげられないか、考えながら選択していくことです。
ハモリのバリエーション
USTはハモリにも使えます。
先ほどの例でいくと、
Dm7→CM7→FM7→G7
というコード進行にメロディをつけます。
そして、コード進行をUSTの3和音に入れ替えます。
Am→Bm→G→Em
最初につくったメロディに対して、USTの3和音でハーモニーをつけていきます。
ハーモニーが付け終わったら、コード進行をもとに戻します。
すると、コード進行は
Dm7→CM7→FM7→G7
という和音なのにハモリは、
Am→Bm→G→Em
という和音の響きが使われているという、二重構造の曲が出来上がります。
ハモリにUSTを使うことによって、コード進行とあいまって全体でUSTの響きを感じる構成になります。
一つのコード楽器で7和音を鳴らすと、音が分厚くなりすぎて曲のジャンルによっては合わない事があります。
しかし、この方法ならあまり混み合った感じにならずにUSTのテクニックを使えます。
音色を多く使いたくない、アコースティックな感じの楽曲などに向いていると思います。
といったわけで、2回にわたってUSTのテクニックをご紹介しました。
リッチな方向に曲を仕上げたいときにはオススメの技なので、ご自身のオリジナル曲で是非使ってみてくだい。
以上、参考になればうれしいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。