コード進行をもっと彩り豊かにしたい!と考えている人へ、どんなふうに考えると使えるコードの幅が広がるのか書いてみます。
単純にコードの種類を覚えるだけでなく、コードを導き出す考え方を知ることで、いろんなキーや曲調でコード進行を自由にコントロールできるようになります。
基本のダイアトニックコード
曲の中で基本的に使われるコードはだいたい6〜7個くらいです。
これはほとんどカタチが決まっていて、こんな感じになってます。
(キーがCの場合)
ド・ミ・ソ・シ:CM7
レ・ファ・ラ・ド:Dm7
ミ・ソ・シ・レ:Em7
ファ・ラ・ド・ミ:FM7
ソ・シ・レ・ファ:G7
ラ・ド・ミ・ソ:Am7
シ・レ・ファ・ラ:Bm7(♭5)
これがダイアトニックコードと呼ばれるもので、ポップスなどのほとんど曲はこのコードたちを使ってつくられています。
(ダイアトニックコードについては、こちらの記事で詳しく解説しています。)
近親調が馴染みやすい
このダイアトニックコードだけでも十分いい曲はできるんですが、さらに多彩なコードを使いたい!というときは、近親調からコードを持ってくるといいです。
近親調とは、その曲のキーの5度上・4度上・短3度上の3つのキーのことです。
その3つのキーのそれぞれのダイアトニックコードの中から、もともとのキーのダイアトニックコードにはないコードを選んで、曲の中に混ぜます。
そうすると、ダイアトニックコードだけでは出せない雰囲気が出せつつ、違和感のない曲にすることができます。
コードを借りてくる
この近親調のコードのことを、近親調から借りてきたコードという意味で、Borrowed(借用)コードと言ったりします。
具体的にどんなコードが使えるのか、キーCの場合でみてみましょう。
キーCの5度上・4度上・短3度上の調は、それぞれキーG・キーF・キーE♭です。
それぞれの調のダイアトニックコードをまとめると、こんな感じになります。
表の中の赤字のコードが、もともとのダイアトニックコードにないコードです。
もともとのダイアトニックコードを中心にコード進行を組み立てつつ、随所に赤字のコードを散りばめることでコード進行をより多彩にすることができます。
借りてくるときはファンクションを意識
実際に近親調のコードを散りばめるときのポイントですが、それぞれのコードのファンクションを意識すると上手くハマると思います。
ファンクションの詳しい解説はこちらの記事をご覧下さい。
そのコードの各キーでのファンクションを確認し、ファンクションのつながりが自然になるようにコードを組み合わせていきます。
(上の近親調をまとめた表にも近親調のファンクションを書いてありますので確認してみて下さい。)
例をつくったのでみてみましょう。
(キーはCの場合で考えてます。)
例えばこんなコード進行。
Am7→B♭M7→B♭7→CM7
この進行をつくったときの考え方はこんな感じです。
①ファンクションがT→S→D→Tになるようにコード進行を作りたい。
②ファンクションの流れに合うように、とりあえずダイアトニックコードでつくってみる。
Am7→FM7→G7→CM7
③いくつかのコードを、近親調のコードで同じファンクションのコードに入れ替える。
Am7→B♭M7→B♭7→CM7
・キーCのサブドミナントFM7をキーFのサブドミナントB♭M7に入れ替え
・キーCのドミナントG7をキーE♭のドミナントB♭7に入れ替え
このようにファンクションを軸にダイアトニックコードで進行をつくった後、ところどころ同じファンクションの近親調のコードに入れ替えると上手くいくと思います。
入れ替える場所は自分の好きなところで大丈夫です。
自分だけの組み合わせをつくろう
近親調を知ると、ダイアトニックコードの7個から一気に使えるコードが増えます。
ファンクションを意識するやり方は一例なので、あんまりとらわれすぎず、自分の表現に合う自分だけの組み合わせをつくってみて下さい。
以上、参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。