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- 曲の展開がいつも同になる
- コード進行がワンパターン
作曲を続けていると、マンネリ状態にぶつかることはありませんか?
実は、作曲のマンネリを打破するためのヒントは、様々な音楽のルーツであるブルースに隠されています。
「ブルース=古い音楽」だと思われがちですが、現代のR&Bやヒップホップ、そしてJ-POPに至るまで、音楽のエモい要素の源流は、ブルースのテクニックの中に多く見つけることができます。
この記事では、ブルースの形式を学ぶだけでなく、オリジナル曲を劇的にアップデートする実践的なブルースのテクニックを6つ解説していきます。
是非この記事を読んで、あなたの曲作りの引き出しが増え、新鮮な響きを生み出せるようになる方法を手に入れてください!
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SRM.(エスアールエム)
シンガーソングライター/作曲・音楽活動コンサルタント:音楽活動歴15年以上
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ブルースとは?3つの特徴

ブルースをオリジナル曲に取り入れるにはまず、ブルースがどういう構造で作られているかを知りましょう。
ブルースを考えるには、以下の3つの特徴を確認してください。
- 12小節の構成
- 2種類のメロディで3回歌う
- マイナーメロをメジャーでハモる
12小節の構成
多くのポップスやロックは、「8小節」や「16小節」など、偶数のまとまりで曲ができています。
しかし、ブルースは「12小節」でひとつのまとまりでできています。
イメージとしては、以下のような感じです。
- 最初の4小節:導入部分
- 次の4小節:最初の4小節を繰り返し
- 最後の4小節:結論部分
4小節のブロックが3つ合わさって1曲ができる、という独特の構成が特徴です。
2種類のメロディで3回歌う
歌詞とメロディの展開にも特徴的な型があります。
- 最初の4小節:メロディ1
→想いや状況を提示 - 次の4小節:メロディ1の繰り返し
→歌詞も繰り返しの場合が多い - 最後の4小節:メロディ2
→違うメロディと歌詞で結論を提示
このように、同じことを2回言って、3回目で別のことを言って結論、という構成がブルース基本です。
シンプルですが、非常に説得力のあるストーリー展開を生み出します。
マイナーメロをメジャーでハモる
通常、明るい曲(メジャーコード)には明るいメロディ(メジャースケール)を乗せます。
しかしブルースでは、伴奏は明るいコード(メジャーコード・7thコードなど)のに、歌のメロディにはあえて暗い音(マイナースケールやブルーノート)を使います。
これが、ブルースのエモさを生み出す最大の秘密です。
明るい響きの上に暗いメロディが乗ると、音がぶつかる(不協和音になる)スリリングな状態が生まれます。
これが人間の複雑な感情や、泥臭さ、切なさをダイレクトに表現してくれる要素になります。
実践①:12小節構成で作ってみる

ここからは、ブルースの特徴をオリジナル曲に活かす方法について、以下の6つを解説していきます。
- 12小節構成で作ってみる
- ファンクショナル・モーメント
- 同じメロディでコードを変える
- マイナーメロディにメジャーコード
- トニック→サブドミナントの感覚
- ブルース進行をリハモ
12小節を作る方法
よくある「8小節」や「16小節」といった偶数単位でメロディを作っていると、マンネリにおちいりやすくなります。
そんな時は、思い切って「12小節」をひとつのまとまりとしてメロディを作ってみましょう。
単に小節数を変えるだけですが、今までとは違った印象に変わります。
通常の曲作りの考え方では、
- 4小節×2=8小節
- 4小節×4=16小節
などの感覚が頭の中にあり、それにフィットするように、無意識にメロディやコードを考えています。
しかし、12小節の場合は、
- 4小節×3=12小節
です。
「4小節が奇数個ある」という感覚はあまりないので、12小節にフィットさせるには今までにないアイデアを考えざるを得なくなります。
これが違った印象の曲になるきっかけとなります。
12小節を作る一番簡単なやり方は、
- まず8小節を作る
- 後から4小節を付け足す
というアプローチです。
- 最初の4小節:
→メロディを歌い始める - 次の4小節:
→同じようなメロディを繰り返す - 最後の4小節:
→全く違うメロディを付け足す
このように、4小節のブロックを3つつなげる意識を持つだけで、いつもの手癖から抜け出すことができます。
特にAメロを12小節にすることで、たっぷりと曲の世界観を提示できたり、大人っぽい洋楽のような雰囲気に近づけることができます。
実践②:ファンクショナル・モーメント

12小節のフレーズを、4小節×3の3つのブロックに分け、それぞれに明確な役割(ファンクション)を持たせることで、さらにブルースのエッセンスを盛り込んだ曲に仕上げることができます。
役割(ファンクション)ごとのブロックを、ファンクショナル・モーメントを呼ぶことがあります。
具体的には、以下のように考えます。
- 最初の4小節:トニックモーメント
→安定感のあるトニックコード中心 - 次の4小節:サブドミナントモーメント
→サブドミナントコードなどで展開 - 最後の4小節:ドミナントモーメント
→ドミナントコードで緊張感を高める
→トニックモーメントに戻る
※各コードのファンクションについては、こちらの記事を参考にしてください。
・コードのファンクションで曲の物語をドラマチックに演出しよう
- 安定→展開→緊張→安定に戻る
という流れは、どんなジャンルでも説得力のある曲を作りやすい構成になってます。
これを12小節の中で表現することで、ブルースっぽいエッセンスをもった曲にすることができます。
通常の曲だと、だいたい1小節ごとに役割(ファンクション)の切り替えが起こります。
しかしファンクショナル・モーメントの場合は、4小節ごとに切り替わるので、曲全体を大きくとらえた曲づくりができるテクニックとして有効です。
実践③:同じメロディでコードを変える

最初の4小節と次の4小節で、メロディは全く同じなのにコード進行だけを変える、というアプローチも効果的です。
実際、ブルースのほとんどはこの形式で作られています。
例えば、1回目はC(トニックコード)のコードでメロディを歌い、2回目は全く同じメロディと歌詞をF(サブドミナントコード)で歌ってみてください。
- メロディ1:トニック(I)
→安心感・真っ直ぐに状況説明 - メロディ2:サブドミナント(IV)
→感情が一段上るようなエモさ
メロディは全く同じなのに、響きや印象が変わって聴こえます。
メロディ反復とコード展開の間に生まれる心地よいズレが、リスナーをひきつけるエッセンスになります。
実践④:マイナーメロディにメジャーコード

ブルースの特徴である、マイナーメロディをメジャーコードでハモるというスタイルを、オリジナル曲に活かしてみましょう。
この特徴を具体的にいうと、メジャーキーのコード進行にマイナーペンタトニックのメロディをつけるということです。
※ダイアトニックコードについては、こちらの記事を参考にしてください。
・【初心者向け】作曲に役立つ音楽理論の基礎知識を分かりやすく解説!
実際の音で例を出すと、
- ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ
(ダイアトニックコードの構成音)
の音が使われるコードに、
- ド・ミ♭・ファ・ソ・シ♭
(マイナーペンタトニック)
の音でメロディをつける、ということになります。
この二つを比べると、ミ♭とシ♭の音が半音でぶつかって濁った響きになってしまいますが、このぶつかる音こそがブルースっぽさのもとになっています。
しかしポップスなどに応用する場合は、この音のぶつかりをうまく処理しないと違和感が出てしまいます。
借用コードを使う
ここで重要になるのが、借用コードの知識です。
借用コードとは、ダイアトニックコードの進行に、それ以外のコード(借用コード)を混ぜて使うテクニックのことです。
※借用コードについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
・近親調を知って作曲の幅を広げよう
先ほどの例でいうと、ミ♭・シ♭がメロディとして鳴っているときには、ミ♭・シ♭を構成音に持っている借用コードを使えばOKということになります。
ミ♭・シ♭と合う借用コードとしては、
- ミ♭:E♭M7・Fm7・A♭M7・Cm7
- シ♭:Gm7・B♭M7・C7・Em7(♭5)・E♭M7・B♭7・Cm7
などがあります。(キーがCの場合)
ミ♭・シ♭がメロディに鳴っているところに、これらのコードを選んでやればOKです。
たとえばこんなこんなメロディがあった場合、

こんなコード進行が考えられます。

実践⑤:トニック→サブドミナントの感覚

もう少し具体的にブルースのコード進行に踏み込み込んで、オリジナル曲に活かせるアイデアを紹介していきましょう。
ブルースの基本進行
もっとも一般的なブルースのコード進行は下記のようなものです。
(メロディがCマイナーペンタトニックの場合)

メロディのルート(Cの音)に対して、
- 最初の4小節:トニックコード
- 次の4小節:サブドミナント中心
- 最後の4小節:ドミナント中心
になっています。
ただし、コードのカタチは全てドミナントセブンスコードなのが特徴的です。
さらに、各ファンクショナルモーメントで、キッチリ4小節づつなわけではありません。
サブドミナント中心のところでもトニックのコードがでてきたり、わりと曖昧にファンクションが混じり合っているのもブルースっぽさの特徴です。
そういったわけで、各4小節をファンクションのモーメント(ある特定の瞬間)と呼んでいます。
T→Sの感覚がブルース感
基本のコード進行は、ブルースっぽさがしっかり表現できますが、オリジナル曲にそのまま反映させるのはちょっとブルースっぽくなりすぎる場合があります。
ブルースのコード進行のエッセンスだけを取り入れるには、ファンクションナルモーメントの考え方を応用する方法があります。
具体的には、ファンクションナルモーメントのトニック→サブドミナントの流れを取り入れる方法です。
ブルースのコード進行について、エッセンスを極限まで抽出すると、
- トニックのコードで始まる
→メロディを歌う - サブドミナントのコードに進行
→同じメロディをもう一度歌う
という流れに注目できます。
ブルースのエッセンスを取り入れるために、トニック→サブドミナントの感覚を意識してみましょう。
ドミナントコードをほとんど登場させず、トニックコード→サブドミナントコードのみで各セクションをつくってみる、などが考えられます。
ドミナントコードは、サビの直後やサビの終わりなど、ここぞというときのみに使うとスッキリとまとまった曲に仕上げらます。
ドミナントコードについて
ちなみに、ドミナントコードについて補足です。
ドミナントコードは、サビに行く前の1番の盛り上げどころで使うコードです。
ダイアトニックコードでは、1番重要なコードとされています。
(ドミナント=「最も有力な」という意味。)
なのでドミナントコードは、ブルースよりもダイアトニックコードっぽさを出すためのエッセンスが強くなります。
実践⑥:ブルース進行をリハモ

ブルースの基本進行を使って、オリジナル曲のコード進行を作り上げる方法をご紹介します。

(メロディがCマイナーペンタトニックの場合)
ここでもファンクションの考え方を応用します。
手順としては、以下の通り。
- ベース音のみ書き出す
- ファンクションに書き換える
- 同ファンクションの別コードで置き換え
- マイナーペンタでメロディーを書く
ベース音の書き出し
まずブルースの基本進行の各コードごとに、ファンクションで書き替えていきます。
ただし、ブルース進行は全てドミナントセブンスコードなので、まずはルート音だけで考えます。

(ルートのみ)
ファンクションへの書き換え
書き出したルート音を、ダイアトニックコードのファンクションの記号に書き換えます。

(ファンクションに書き換え)
- T:トニック
- SD:サブドミナント
- D: ドミナント
※各コードのファンクションについては、こちらの記事を参考にしてください。
・コードのファンクションで曲の物語をドラマチックに演出しよう
コードの置き換え
ここにファンクションが同じ、別のダイアトニックコードで置き換えてみましょう。
このとき、借用コードも選択肢に入れると、よりリッチなコード進行を考えることができます。
※借用コードについて、詳しくはこちらに記事を参考にしてください。
・近親調を知って作曲の幅を広げよう
借用コードも含めると、かなりの選択肢があります。
例えばこんなコード進行が考えられます。

※どのコードがどのキーのどのファンクションにあたるのか、リンクの記事にある表をみながら確認してみてください。
マイナーペンタのメロディー
このコード進行で、Cマイナーペンタトニックのメロディをつくると、ほのかにブルースの匂いのする新感覚な曲に仕上げることができます。
コード進行の組み合わせはたくさん考えられるので、是非オリジナルなコード進行を考えてみてください。
まとめ
今回は、作曲のマンネリを打ち破るための「ブルースのエッセンスの活かし方」について、基礎知識から実践テクニックまでを解説しました。
- 12小節構成で作ってみる
- ファンクショナル・モーメント
- 同じメロディでコードを変える
- マイナーメロディにメジャーコード
- トニック→サブドミナントの感覚
- ブルース進行をリハモ
現代の多くのR&Bやヒップポップ、エモーショナルなロックやJ-POPの土台には、ブルースのエッセンスがあります。
ブルースに限らず、ルーツミュージックを知ることは、あなたの楽曲をよりよく磨き上げるためのテクニックを与えてくれます。
ぜひ、今回紹介したブルースのテクニックを取り入れて、あなたのオリジナル曲をブラッシュアップさせてみてくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
するめミュージック SRM. より
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