この記事を読むとわかること
- 音楽活動の種類と内容
- プロとアマチュアの違い
- 活動内容の決め方
音楽活動にはどんな種類があって、どれに取り組めばいいのか。
初めて活動するときに迷うポイントです。
この記事では、音楽活動の種類についてまとめ、詳しくご紹介します。
また、たくさんある活動の中で、自分に合う活動をどうやって決めたらいいのか、ポイントを解説します。
活動を行ううえで意識すべき、プロとアマチュアの違いについても説明していきたいと思います。
【働きながら音楽活動をするときの全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。】
このブログでは、約15年の作曲活動でゲーム音楽などへの楽曲提供も行ってきた、
シンガーソングライターのSRM.が、これまでの活動の経験をもとに、
作曲や音楽活動の悩みを解決するのに役立つ知識や情報を発信しています。
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2種類の音楽活動
音楽活動とは字の通り、音楽をする活動のことです。
ここには2つの意味が含まれています。
ひとつは、音楽を表現する活動のこと。
後述する、作曲や演奏などの活動を指します。
そしてもうひとつは、音楽を届ける相手、つまりリスナーを集める活動のことです。
ライブの集客や新曲の宣伝などがイメージしやすいと思います。
この2つの活動をまとめて音楽活動ととらえるといいと思います。
下の表は、2つの活動についてまとめたものです。
それぞれの詳細について、見ていきたいと思います。
音楽を表現する活動
音楽を表現する活動は、大きく2つの活動に分けられます。
それは、
- 作品発表
- ライブ
の2つです。
作品発表
作品発表とは、ミュージシャンとしての作品を制作し、リスナーに向けて発表することです。
作品にあたるものとしては、
- オリジナル曲
- カバー曲
- ライブ映像
- MV(ミュージックビデオ)
などが一般的です。
作品を発表するためには、楽曲制作・収録(レコーディング)・リリースの3つの手順が必要になります。
楽曲制作
全ての作品のもとになるのが楽曲です。楽曲の制作から全てがスタートします。
楽曲制作に必要なステップは大まかに、以下の3つ。
- 作詞
- 作曲
- 編曲
(ただし、カバー曲の場合は編曲のみ。)
作詞・作曲は楽曲の骨格となる、歌詞やメロディ、和音、リズムなどを創作していく過程のことです。
詳細は技術的な話になるのでここでは割愛しますが、下記のページなどを参考にしていただくと理解が深まると思います。
【作詞のオススメ記事】
【作曲のオススメ記事】
編曲は、作詞・作曲した楽曲に伴奏をつけていく作業です。
ピアノやギターで和音をつけたり、ドラムでビートを刻んだりするのがよくある例です。
専門的な知識や音楽理論の理解が不可欠になります。
音楽理論については、このブログでもたくさん紹介しているので、下記のリンクを参考にしてください。
収録(レコーディング)
収録(レコーディング)では、制作した楽曲を演奏、録音します。
また、録音した音を調整して聴きやすいように整えるステップもここに含まれます。
(このステップをミックスやマスタリングといいます。)
演奏については、自分で行うミュージシャンもいれば、専門のプレーヤーに依頼するミュージシャンもいます。
自分で作詞・作曲・歌唱・演奏を全てこなすミュージシャンのことを、シンガーソングライターといいます。
実際の録音作業やミックス・マスタリングのステップは、専門技術や専用機材が必要なため、専門のエンジニアに依頼するのが一般的です。
ココナラ などのスキルシェアサービスでは、収録(レコーディング)やミックス・マスタリングのエンジニアを簡単に探して依頼することができるのでオススメです。
前述の作詞・作曲・編曲のサービスを提供している出品者もいるので、自分のニーズに合わせて検索してみるといいと思います。
なお作品に映像が含まれる場合は、これに撮影と編集というステップが加わります。
リリース
リリースのステップでは、制作した楽曲や映像をリスナーに届くカタチにしたり、リスナーが触れられる場所に設置します。
わかりやすいのは、楽曲をCDにプレスして商品として店頭に並べる、という作業です。
しかし近年ではネット上で音楽を聞く人が多いため、楽曲をネット配信サービスに登録したり、映像をホームページにアップしたりする方が多いと思います。
楽曲のネット配信では、毎月定額で音楽が聴き放題となるストリーミングサービスを使うのが主流です。
代表的なものは、Spotify・Apple Music・Amazon Musicなどです。
なお、ストリーミングサービスに楽曲を配信するには、配信を代行する業者(ディストリビューション業者)に依頼するのが一般的です。
ディストリビューション業者としては、TuneCore Japan・LANDR・narasuなどがあります。
ストリーミングサービスへの配信は基本的に有料になります。
しかし、無料で楽曲や映像を配信できるサービスもあります。
有名なのはYouTubeです。こちらは動画投稿サイトなので映像も必要になります。
音声のみのサイトならば、SoundCloudがあります。
また、TwitterやInstagramなど、SNSで楽曲を公開する方法も考えられます。
ライブ
リスナーに生演奏を届ける活動です。
「作品発表」の際に制作した楽曲を演奏することが多いですが、カバー曲をテーマに沿って(クリスマスソングライブ・ジャズの名曲特集、など)披露するのもよくあります。
ライブの場所
ライブ活動は、演奏を行う場所によって以下の4つに分類できます。
- 路上ライブ
- ハコライブ
- イベントライブ
- オンラインライブ
順番にみていきましょう。
路上ライブ
一般の通行人が行き交うところで演奏を披露するカタチのライブです。
駅前などでよくやっているので目にしたことがあるかも知れません。
通行量が多い場所で行えば、たくさんの人の目に留まり、知ってもらえるチャンスが増える可能性があります。
しかし、演奏機材を自分で用意しなければならない、天候が悪いと強制終了になる、などデメリットもあります。
そしてそもそも、許可を得ないで公道で演奏すると法に触れる可能性があり、罰金を科せられるなんてこともあり得ます。
なので、路上ライブは基本的にはオススメしません。
一部の場所では公認での路上ライブをやっているところもあるので、どうしてもやりたい場合はこういったところを検討してみてください。
ハコライブ
ライブカフェから東京ドームまで、演奏を行うことを想定している会場のことを「ハコ」と呼びます。
一般的なのは、やはりライブハウスです。
演奏機材やステージ、照明などが整っている場所でのライブです。
演奏のしやすさや宣伝のしやすさがある一方、出演料や使用料がかかるためチケット販売が必要になる場合が多く、集客のハードルになりやすいです。
場所によっては、オーディションに合格しないと出られないなど、出演条件が厳しい場合もあるので注意が必要です。
イベントライブ
様々なテーマの催しと共に音楽の演奏が行われるタイプのものを総称して、イベントライブと呼んでいます。
フェスや野外イベント、地域のお祭りやショッピングセンターでの催し、児童施設や公共施設などでの行事、などなど、様々な種類があります。
イベントライブは、集まる観客の個性がはっきりしているため、自分の音楽の個性と合ったイベントに出演できれば、一気にファンを増やすチャンスになります。
ただしハコライブとは違い、ほとんどの場合は出演者を公募していないため、自ら積極的に出演交渉をしないと出演機会を得られないのが大変なところです。
オンラインライブ
インターネット上で生演奏を配信するタイプのライブです。
ライブハウスを借りて本格的なバンド演奏を配信したり、自宅での弾き語りを配信したり様々なシチュエーションで行うことができます。
ライブ配信サービスを利用することで簡単に行うことができ、自分の好きな場所から配信ができるのが魅力です。
しかも一度に多くの人に見てもらえる可能性があるため、ライブの方法としてはもっともコストパフォーマンスが高いと思います。
ライブ配信サービスとしては、YouTubeやInstagramなどでのライブ配信機能が有名です。
またライブ配信専門のサービスとしては、17LIVE・Showroomなどがあります。
ライブのブッキング
ブッキングとは「予約」という意味です。
音楽活動では、ライブハウスやイベントなどへ出演するための調整のことをブッキングといいます。
具体的にブッキングでやることは以下のようなことです。
- 出演会場の選定・出演条件の確認
- 出演申し込み・日程の調整
- サポートメンバーの調整
出演会場の選定・出演条件の確認
まずは出演したい「ハコ」やイベントを探します。
ネット検索で「ライブカフェ 渋谷」など、出演したい会場の形態と地域を入れると、候補がたくさん見つかると思います。
出てみたい「ハコ」やイベントが見つかったら、ホームページを確認しましょう。
チェックするべきは、
- キャパ
- ノルマ・出演料
- 出演条件
- 普段出演しているミュージシャン
キャパとは、会場の収容人数のこと。会場に入ることができる観客の人数です。
会場の規模を表すときによく使われる数字です。
自分が集客できる以上の、あまりに大きいキャパの「ハコ」やイベントに申し込んでしまうと、ライブ当日スカスカの客席を前に演奏する、なんて悲しいことになるので気を付けましょう。
ノルマは、出演者が売らなければならないチケットの数のこと。
1回のライブでひとりの出演者つき何枚チケットを売らなければならないか、決まりを設けているところがけっこうあります。
売り切れなかった分は出演者の自腹で支払い、というところがほとんどです。
逆にノルマを売り切ってしまえば、それ以上の売り上げは出演ギャラとして出演者が受け取れる場合が多いです。
こちらも自分が売り切れそうなノルマのところにしないと出費がかさんで大変になります。
会場やイベントによっては、ノルマを定めずに単純に出演料を支払えば出演OKというところもあります。
出演条件は、その「ハコ」やイベントが独自に定めている出演の条件です。
例えば、会場スタッフに事前に演奏を披露してOKがもらえた場合のみ出演可とか、アコースティック形式の演奏のみ出演可、などです。
自分の音楽スタイルやレベルに合った条件でないと出演が厳しいので要注意です。
普段出演しているミュージシャンもチェックしておきましょう。
自分の音楽スタイルとあまりにもかけ離れたミュージシャンばかりが出演していた場合、その会場やイベントはあなたには合っていない会場かも知れません。
「ハコ」やイベントによって、音楽のカラーが決まっている場合があります。
弾き語り中心のライブカフェ、ハードロック好きが集まるライブハウス、ラッパー御用達の野外イベントなどなど。
他の出演ミュージシャンをチェックして、自分のスタイルに合っているか確認しましょう。
出演申し込み・日程の調整
自分に合った会場やイベントが見つかったら、申し込みをしましょう。
出演者を公募している場合、ホームページなどに申し込み方法の掲載があるはずです。
出演者の公募をしていない場合は、お問い合わせフォームなどから出演させてもらえないか問い合せを入れます。
その際は、自分がどんな活動をしているミュージシャンかを明記し、写真とプロフィール、楽曲のデータを添付するのを忘れないようにしましょう。
出演させてもらえることになったら、日程の調整をします。
最初は主催者側が提案する日に出演するといいと思います。初めから自分の希望の日をゴリ押しすると、相手方との関係が悪くなるので気を付けてください。
何度か出演して信頼関係ができてきたら、希望の日に調整してもらえるよう交渉してみるのもいいと思います。
とはいえ、どうしても厳しい日程はしっかり伝えて変えてもらいましょう。無理して出演し続けると自分の音楽活動自体が続かなくなってしまいます。
日程を決める際は、曜日に注意です。
金曜夜や土日祝日などは、やはりお客さんを集めやすいので出演希望者もたくさんいます。
主催者側もたくさんお客さんに来て欲しいので、結果、レベルの高い出演者に優先的に声がかかることになります。
初めのうちは平日の夜などの日程に出演して感覚をつかんでから、土日祝日などの日程に挑戦するとやりやすいと思います。
サポートメンバーの調整
ライブ日程が決まったら、一緒に出演してくれるサポートメンバーを探します。
サポートメンバーはライブの演奏を助けてくれるミュージシャンのことです。
例えば、シンガーとして活動している人の場合、ライブで伴奏を弾いてくれるピアニストのサポートメンバーを探したりします。
知り合いにミュージシャンがいれば声をかければOKですが、いない場合は一から探さないといけません。
ネット上のメンバー募集ページなどで公募したり、SNS上で勧誘したりする方法があります。
ちなみに、自分で弾き語りをする人やカラオケを流しながら歌うスタイルの人はサポートメンバーは不要です。
サポートメンバーを探すときに確認するのは、日程が空いているか、ギャラの支払いはどのくらいか、本番までにリハーサルができる日程があるか、など事務的な内容。
そして、演奏のスタイルが自分の音楽と合っているか、音楽への取り組みの本気度について自分とズレがないか、人間的に気が合うか、など音楽的な内容も確認が必要です。
ライブのパフォーマンス
続いてライブ本番のパフォーマンスについて解説していきたいと思います。
ライブ本番には、単に演奏すること以外にも注意すべき様々な要素があります。
演奏も含めたライブ本番で行うこと全般を総称して、「パフォーマンス」と呼んでいます。
パフォーマンスに含まれる要素として、演奏以外には以下のようなものがあります。
・身体表現
・衣装
・MC
・構成
身体表現
身体表現とはライブ中に行う動作や立ち居振る舞いのことです。
具体的には、演奏時の身振り手振りや目線、表情の作り方、スタイルによってはダンスをする場合もあるかもしれません。
ライブでは観客の聴覚だけでなく、視覚も満足させることが重要になります。
そのためのパフォーマンスが身体表現です。
元気に動き回って歌うのか、座ってしっとり演奏するのか、視線は観客を見つめるか、まぶたを閉じて歌うのか、表情は笑顔か、真剣な表情か、などなど。
自分の音楽スタイルや楽曲によってどのようにするのがいいのか考え、ライブ全体を通じて表現していく必要があります。
衣装
衣装も観客の視覚に訴えるための重要な要素です。
曲のジャンルにマッチしているか、季節感は必要か、曲のイメージとかけ離れたものでないか、イベントのカラーに即しているか、など考えて衣装を選びましょう。
また演奏のしやすさなど、実用面のことも考えておきましょう。
特にハコライブでは、照明が当たることによりステージ上での体温が上がりやすいです。
厚手すぎる服は避けた方が無難だと思います。
MC
MCとは、曲の合間などでのトークのこと。
ライブのMCは、観客とコミュニケーションをとれる重要な場面です。
話す内容をしっかり吟味しましょう。
ポイントは観客との一体感を大切にすること。
曲の内容説明や次のライブの宣伝ばかりだと観客はしらけてしまいます。
自分の音楽のリスナーが興味ありそうなニュースや、身の回りの出来事などを織り交ぜてコミュニケーションをとっていくといいと思います。
トーク力が求められるところですが、芸能人のような達者な喋りは必要ありません。
素直に話せば観客には伝わります。
自分のキャラクターに合った喋りで誠実に語りかけていきましょう。
スタイルによっては、MCなしのライブというのもあり得ます。
また演奏よりもMCの方が多いというミュージシャンもいます。
これも自分のスタイルに合うかたちを探していけばいいと思います。
構成
構成とはライブで演奏する曲順やMCをどこに入れるかなど、ライブ本番中の段取りのこと。
構成は観客の満足度に大きく影響します。
一曲目は元気な曲で一気にテンションを上げ、2・3曲連続して演奏して盛り上げたあと、MCを入れて落ち着けてバラードの曲につなげる、など。
観客の体験するテンションや感情の動きを想像しながら構成を組んで行くといいと思います。
ライブ後にはアンケートで、どの曲でどんなテンションになったかなどの情報を集めていくといいです。
次回以降の構成のブラッシュアップに役立ちます。
以上4つのパフォーマンス要素を紹介しました。
これらのことに取り組んでいくことで、観客に満足してもらえるライブ活動を行うことができるようになります。
パフォーマンスを高めるために、ライブ前にはリハーサルを重ねることが重要になります。
リハーサルスタジをと呼ばれる、演奏スペースや機材を時間貸ししてくれる場所があるので、そのような場所を利用してリハーサルを行うのが一般的です。
大手のリハサールスタジオとしては、SOUND STUDIO NOAH・GATEWAY STUDIOなどが有名です。
しっかり準備をして、最高のパフォーマンスを観客へ届けましょう。
リスナーを集める活動
リスナーとは音楽を聞いてもらう相手、ライブを見てもらう相手のことです。
ほとんどの音楽活動は、リスナーの存在なしには行うことができません。
音楽活動は、音楽を表現する活動と並行してリスナーを集める活動をすることがとても重要です。
リスナーを集めるためには、人はどうやってミュージシャンのリスナーになるか、ということを理解する必要があります。
あなたというミュージシャンを全く知らない人が、どうやってあなたのリスナーになるか。
その過程を考えてみましょう。
人がリスナーになるまでの間には、3つの段階が存在します。
- ミュージシャンの存在を知る (SNSやリアルの口コミなど)
- ミュージシャンに興味を持つ (GoogleやYouTubeで検索するなど)
- ミュージシャンに対して何らかの行動をする (楽曲をダウンロードする、ライブを観に行くなど)
これら3つの段階について適切なアプローチをしていくことが、リスナーを集めるための活動となります。
存在を知ってもらう
まずはあなたというミュージシャンを知ってもらうための活動をしましょう。
知らない人は存在しないのと一緒です。
あなたというミュージシャンの存在を知ってもらわない限り、あなたの音楽を表現する活動も存在しないのと一緒、ということになりかねません。
まずはリスナーとなってくれそうな人たちに向けて、自分の存在を認知させるための活動を行いましょう。
ここで役に立つのは、インターネット上での情報発信です。
SNSやブログなどを使って情報を発信します。
これらのツールは不特定多数の人に同時に情報を届けることができるので、存在を知ってもらう活動に最適です。
あなたの音楽の活動状況やあなた自身の人柄がわかる興味関心をなどを発信すると良いかもしれません。
注意すべきは、知らない人の情報発信に興味のある人はほとんどいないということです。
闇雲に音楽活動の内容を発信すると言うだけでなく、リスナーになってもらいたい人たちが欲している情報や役立つような情報を発信していくべきです。
相手があなたのことを全く知らなくても、「この情報は役立つな」と感じてもらえるような内容を発信していれば、読んでもらえる確率が上がります。
例えば、野外フェスによく行く人たちに自分の音楽を聴いて欲しい場合は、まずは野外フェスで役立つアウトドア商品の情報などを発信してみる。
アウトドア情報を発信してくれる人として認識されたら、とりあえず知ってもらうという段階はクリアです。
相手に役立つ情報発信から、だんだんとあなたの音楽活動の情報を徐々に出していく、という流れが理想的です。
避けたいのは、自分の音楽活動の宣伝ばかりしている人としてネット上で嫌われてしまうこと。
まず相手の役に立ち、信頼を得てから自分の伝えたい情報を伝えるようにしてみてください。
興味を持ってもらう
あなたの存在を知ってもらい、音楽を届けたい相手からの信頼を少しづつ獲得できてきたら、次はあなたの音楽に興味を持ってもらう段階です。
少しづつ発信し始めた音楽活動の情報には、あなたのポートフォリオにアクセスできるリンクを添えるようにしましょう。
ポートフォリオとは、あなたの音楽の作品集のことです。
1番いいのは独自のホームページをたちあげて、そこに楽曲をアップロードしておくこと。
難しい場合は、Facebookページなど無料のサービスもあります。
楽曲のアップロードはYouTubeやSoundCloudを使えば十分でしょう。
ポートフォリオを置くサイトには、以下の内容も一緒に掲載しておくといいと思います。
プロフィール
あなたがどんなミュージシャンなのか、興味を持ってもらうために重要なのがプロフィールです。
もし受賞や楽曲提供など実績があれば載せておきましょう。
音楽以外の経歴や個人的な趣味なども書くと、興味を持たれるきっかけになるかもしれません。
また、写真はマストです。
写真はミュージシャンのイメージを深く印象付けることができます。
顔出ししていない場合はイラストやイメージなどを載せるようにしましょう。
SNSアカウント
最新の活動情報を知りたいと思ってもらえたときのために、TwitterやInstagramなどのアカウントへのリンクを載せておきましょう。
連絡先
出演依頼や取材の申し込みがあったときのために、連絡先を明記しておきましょう。
Gmailなどで、音楽活動専用のメールアドレスを用意しておくといいと思います。
ポートフォリオは、ネットであなたのことを検索してくれる人のためにも役に立ちます。
しっかり準備しておくことをオススメします。
行動してもらう
興味を持ってもらう段階がうまくいったら、いよいよあなたの音楽に直接触れてもらう行動を促します。
新曲のリリースや次回ライブの情報を宣伝しましょう。
ここでのポイントもやはり、宣伝ばかりしていると言う印象を与えないようにすることです。
リスナーに役立ついつもの情報発信を常に続け、その中にさりげなく宣伝を溶け込ませて発信しましょう。
宣伝はここぞと言う時に必要な量だけ、と言うことを常に頭の中に置いておくといいと思います。
知ってもらう段階と興味を持ってもらう段階がうまくいっていれば、ゴリ押しの宣伝をしなくてもあなたの音楽に対して行動をとってくれる人が一定の割合で現れるはずです。
もちろんポートフォリオのホームページやSNSには、しっかりと新曲やライブなどの情報を載せておくようにしましょう。
以上、リスナーを集めるための活動について説明してきました。
知ってもらう段階の情報発信を常に丁寧に続けていくことが、リスナーを獲得するために重要なポイントです。
興味を持ってもらうためにのポートフォリオの準備と合わせてしっかり行っておけば、行動をしてもらう段階はそこまで難しくならないと思います。
地道な活動ですが、頑張って積み上げていきましょう。
プロとアマチュアの違い
ミュージシャンにおけるプロとアマチュアの違いについては明確な基準はありません。
メジャーデビューをしている人がプロ、それ以外がアマチュアと言う考えの人もいますが、最近ではそういった区分も曖昧になってきています。
メジャーレーベルに属していなくても、個人で独立し、プロとして活動し続けている人もたくさんいます。
プロとアマチュアの違いについてはやはり、収入の面から考えるとわかりやすいです。
下の図はプロとアマチュアの違いを収入面からまとめた表です。
それぞれ説明していきます。
プロのミュージシャンとは
簡単にいえば、プロのミュージシャンとは音楽活動での収入が支出を上回る状態のことです。
ライブの出演料やレコーディング費用よりも、ライブチケット売上や楽曲の売上額の方が高い、といったようなイメージです。
どの程度の額、収入が支出を上回ればいいかは、各ミュージシャンの活動のスタンスによります。
今の時代、兼業や副業のミュージシャンも十分あり得るため、音楽で生活費を賄える必要があるのか、音楽活動費用を賄えればいいのか、または大金を稼ぎ出す必要があるのか、など、事情はそれぞれのミュージシャン次第です。
少なくとも、音楽活動の支出が収入を上回るという状態は、プロのミュージシャンの最低条件といえると思います。
支出が収入を上回るためには、以下の3つのことを意識して活動する必要があります。
- 顧客目線
- 投資的支出
- 目的の一貫性
顧客目線
顧客目線とは、リスナーを満足させる音楽を届ける、という考え方で音楽に取り組む姿勢のことです。
音楽で収入を得るということは、リスナーがお金を払ってもいいと思うような満足感を作り出すということです。
プロのミュージシャンには、リスナーの興味や欲求に根差した音楽を届けるという意識が必要です。
投資的支出
収入が支出を上回るためには、投資的なお金の使い方を意識しなければなりません。
投資的支出とは、使った額よりも帰ってくる額の方が多くなるようなお金の使い方です。
例えば、ギターの技術向上のために10,000円払ってプロのレッスンを受けたとします。
そしてレッスンのおかげでスキルアップし、ライブ出演が決まって50,000円のギャラをもらったとしましょう。
この場合、最初の10,000円は50,000円の収入を得るための投資的な支出だったと考えることができます。
こんな感じで、より多くの額を回収できると見込まれるものにお金を使っていく意識が重要になります。
目的の一貫性
収入を上げるためには、音楽活動で達成したいゴールを明確に定めることも重要になります。
活動の目的を明確にすることで、目標達成に必要な行動と不要な行動の区別がはっきりできるようになります。
その結果、活動を効率的に行うことができ、収入を得る効率も上がることになります。
【音楽活動の目的を明確にすることの重要性については、こちらの記事に詳しく書いています。】
プロのミュージシャンとして活動するためには、経営者的な視点が必要になります。
活動目的を明確に定め、それを達成するために行動する。
その活動を持続的に行うために、収入を上げるためのポイントを意識的に作っていく。
長期的なビジョン(活動目的)とそれを支えるマネタイズポイント(収入を上げるための仕組み)を突き詰めて考えることが重要になってきます。
アマチュアのミュージシャンとは
プロのミュージシャンとは反対に、アマチュアのミュージシャンとは、音楽活動の支出が収入を上回っているという状態です。
出演料を払ってライブに出る、お金をかけて楽曲をレコーディングしても特に売り上げはない、など。
アマチュアミュージシャンの特徴は、プロのミュージシャンの特徴と対比させて考えることができます。
- 自分目線(⇄顧客目線)
- 浪費的支出(⇄投資的支出)
- 場当たり的活動(⇄目的の一貫性)
自分目線
アマチュアミュージシャンは、自分のやりたい音楽をする、という傾向が強いです。
自分が感じたことをそのまま表現した曲を作る、自分が楽しむためにライブをする、などなど。
音楽を純粋に楽しむために、自分目線は重要です。
音楽をしている本人が楽しくなければ、リスナーも楽しむことができません。
ただし自分目線は、リスナーを置き去りにしてしまう可能性があり、収入を得るという面から見ると不十分な取り組み方と言えます。
浪費的支出
浪費的支出とは、使った分だけお金がなくなるような支出のことです。
投資的支出とは反対の行動になります。
ライブの出演料は払ってギャラはもらわない、楽曲の製作費はかかるが売り上げはない、などリターンを考えないお金の使い方は浪費的な支出になりやすいです。
当然、音楽活動での支出が収入を上回る状態になります。
場当たり的活動
場当たり的活動は、その時々で思いついたものに取り組んでいく活動の仕方です。
ライブのお誘いがあったのでとりあえず出演してみる、なんとなくメロディが浮かんだので楽曲制作を始める、など。
活動の目的が明確でない場合は、その時々に取り組むべき活動がはっきりと定まらないため、場当たり的な活動になりやすいです。
結果、芯の定まらない活動になり、収入を得る行動も非効率なものになってしまいます。
アマチュアミュージシャンの素晴らしさ
今までの説明を読むと、なんだかアマチュアミュージシャンが悪いもののように感じてしまうかも知れませんが、そうではありません。
アマチュアミュージシャンは純粋に音楽を楽しみ、自分の好きな音楽をとことん追求できる素晴らしいスタイルです。
プロのように、お金をが発生することに伴う責任やプレッシャーがなく、のびのびと音楽に取り組めます。
自分の好きなペースで好きなときに活動できるのも良い点です。
結局はプロにしてもアマチュアにしても、あなたがどう音楽と向き合っていきたいかにかかっています。
音楽はあなたの人生にとってどんな位置づけのものでしょうか。
そこを突き詰めることで、自分の音楽のスタンスが見えてくると思います。
活動内容の決め方
ここからは、活動内容の選び方を解説していきたいと思います。
基本的には、自分のやりたいことを優先してやっていけばOKです。
創作活動が好きなら作品発表を、人前に出るのが好きならライブを、といった感じです。
自分がどれをやりたいのかわからない、という人は自分の音楽家のカテゴリーがどれに当てはまるかを考えてみるといいと思います。
音楽家のカテゴリー
音楽家のカテゴリーには、大まかには以下の3つがあります。
- アーティスト系
- コンポーザー系
- プレーヤー系
アーティスト系
いわゆるミュージシャンと言って思い浮かぶタイプの音楽家です。
ヒットチャートにランクインするようなアーティストや、東京ドームでライブをやるようなアーティストを思い浮かべるとわかりやすいです。
アイドルグループなども広い意味ではこのカテゴリーに入ると思います。
曲をリリースしてライブを行うのがメインの活動。
楽曲については自分で作る場合もあるし、作曲家に依頼する場合もあります。
作品や人物の世界観全体で価値を届けるのがアーティスト系のミュージシャンです。
表舞台に立って活動したい人に向いています。
コンポーザー系
楽曲を作ることに特化して活動を行うタイプです。
自分名義で作品を発表する場合もあれば、アーティストに楽曲提供するスタイルもあります。
いわゆるDTMerもライブなどを行わない場合は、このタイプにあたると思います。
作品の価値を軸に活動するタイプのミュージシャンです。
職人気質の人、裏方が好きな人に向いていると思います。
プレーヤー系
演奏することで価値を届けるタイプの音楽家です。
表舞台には立ちますが、アーティストタイプほど中心はならず、むしろアーティストのサポート役に徹することが多いです。
こちらも職人気質の人に向いていますが、表舞台に立つことも多いので、アーティスト系とコンポーザー系の中間ぐらいの立ち位置のタイプだと思います。
以上、大まかな音楽家の3タイプです。
自分がどの方向でやっていきたいのか確認して、活動の内容を選んでみるといいと思います。
コンポーザー系なら作品発表中心の活動になると思います。
作詞作曲などの勉強も必要になってきます。
場合によってはミックスやマスタリングの領域にも足を踏み入れる必要があるかもしれません。
プレーヤー系ならライブ中心でしょう。
演奏技術に磨きをかけたり、ライブパフォーマンスの研究も必要になってきます。
アーティスト系なら作品発表とライブ両方を想定する必要があります。
ただ楽曲制作は外注して自分は歌唱のみ、というスタイルもあるので、他のカテゴリーほど専門知識を追求しなくても活動することはできます。
しかしライブでのMCなど、他人の前に出て行う内容はしっかりと鍛錬していく必要があるでしょう。
またいづれのカテゴリーであっても、リスナーを集める活動はやはり必ず必要になってきます。
どのカテゴリーでもリスナーの存在なしには活動を継続することが難しいからです。
各カテゴリー共通で必要になってくる行動をまとめると次のとおりです。
- メインの活動(作品発表、ライブなど)
- 必要な技術の訓練(作曲の勉強、演奏の練習など)
- リスナーを集める活動(ネット上での情報発信など)
これらを同時に進めていくことで、音楽活動が充実したものになっていくと思います。
自分のカテゴリーから、上の3つの行動についてどんな活動内容が合っているか考えてみてください。
まとめ
この記事では、次の3つの内容について解説しました。
- 音楽活動の種類と内容
- プロとアマチュアの違い
- 活動内容の決め方
音楽活動の種類と内容は、下記の表のようにまとめられます。
プロとアマチュアの違いは、収入の面から見るとわかりやすく、下記の表のようにまとめられます。
活動内容の決め方は、自分の音楽家としてのカテゴリーを確認して、そのカテゴリーに合った内容を選んでいくといいです。
音楽家のカテゴリーは主に以下の3つ。
- アーティスト系
- コンポーザー系
- プレーヤー系
しかし、活動内容に闇雲に取り組んでもなかなか成果は出ません。
活動を始める前には、必ず「音楽活動の目的」を決めておくことをオススメします。
【詳しくはこちらの記事をご覧ください。】
活動内容が決まったら、次は音楽活動の目標を決めていきましょう。
目標をしっかり定めることで、具体的に何に取り組んでいったらいいのかがはっきり見えてきます。
【詳しくはこちらの記事をご覧ください。】
以上、あなたの音楽活動に少しでも役立てば嬉しく思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【オススメ記事】
【働きながら音楽活動をするときの全体像を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。】